26セーブ 日々樹 ページ26
「やあやあ、このクラスに転入生とは嬉しいですねえ！私は日々樹渉と言います。何かお困りのようでしたら、いつでも私に聞いてくださいね！」
そう言って彼は千切れんばかりにぶんぶんと手を振っている。青葉先輩に勧められてそちらに行くと、彼は立ち上がって握手の手を差し出してきた。
「あ、ありがとうございます、日々樹先輩」
「ええ。これからよろしくお願いしますね☆」
日々樹先輩は眩暈がしそうなほど綺麗な顔でにっこりと笑って、それから僕の席の椅子を引いてくれた。
「さあどうぞ！」
「えっ。あの、先輩にそんなことさせるわけには…」
「お気になさらず！これは愛の表現なのです！貴方が私の行動で驚いてくれますと、私も嬉しい！そしてそこには愛とAmagingがあるのです！」
僕の肩を優しく掴んで椅子に腰を下ろさせた日々樹先輩は、その手の中から突然赤い花をポンと出して見せた。
「えっ！？今どこから出しました！？」
思わず椅子から立ち上がってしまうと、日々樹先輩は嬉しそうにフフフと笑った。
「おや、嬉しい反応ですねえ。最近皆さんは見慣れてきていますからね、あまり驚いてくれないもので…。ふふふ、もっとお見せしましょうか」
日々樹先輩はそう言うと長い髪をばさりと振って、その中からハトを一羽出した。
「ええ！？な、なんで…！？」
「さあ、なぜでしょう？分からなくてもいいのです、その方が楽しいでしょう？」
バサバサと羽を動かすハトを窓から放って、それから手に持っていた赤い花を僕に差し出した。
「差し上げます。私たちのクラスへようこそ…☆」
受け取った赤い花は、一般的にはバラと呼ばれるもの。棘は抜かれていて、傷つく心配はなさそうだった。
「バラですか…？あの、日々樹先輩、ありがとうございます。…へへ、初めて触りました」
先輩にお礼を言って、赤く染まった花の花弁を人差し指で撫でてみる。柔らかい手触りで、少し力を入れただけでもふにゃりと曲がってしまった。
「おや、バラを持つのは初めてでしたか？」
「はい。知識としては知っていましたし、見たこともあったんですけど…。触るのは初めてです」
本で結婚式を挙げている人たちが持っているのや、花屋の店先に並んでいるところは見たことがあった。フェムゲの中でもバラは概念として存在していたし、触ってみたこともある。
だけど、本物の体でバラに触れるのは初めてだった。
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月夜 黒輝(プロフ) - この後がどうなったのか気になる...！都合のいい時でいいので更新再開を希望します！ (2019年3月19日 18時) (
レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 更新停止中なのがすごく惜しいです是非作者様のペースで良いので新お待ちしてます！ (2018年10月3日 8時) (レス) id: 217b90edc7 (このIDを非表示/違反報告)
ケト。(プロフ) - 更新停止中なのが残念です……再開されるの楽しみにしてます、頑張ってください！ (2018年6月25日 9時) (レス) id: 522e4f0622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西 | 作成日時：2018年1月20日 0時
