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俺のベッドに寝転がって
スマホを弄り始めたジナ
自分から聞いておいて興味ないのかよ
『そういうジナこそどうなんだよ』
ジナの彼女は1つ上の3年で
学年一の美人で有名
年下なんか相手にしない感じの人なんだけど
なぜかジナは1年の頃から言い寄られていて
半年ほど前から付き合い始めた
俺が言うのもなんだけど
ジナはかなりモテる
頭の回転は速いし
成績も常に上位
おまけにこのルックスときたら
言い寄ってくる女は先輩後輩関係なく
後を絶たなかった
校内一のビッグカップル誕生の話は
あっという間に全校生徒に知れ渡り
それと同時に
俺の悲劇の幕が開けた
呼び出されれば
決まって聞かれるのがジナたちのこと
2人がいつになったら別れるかなんて
俺に分かるはずもないのに
毎日毎日飽きもせずにやってきては
言いたいことだけ言って帰っていく
その繰り返しにうんざりしていたある日
ガタイのいい先輩数人に囲まれて
問いただされたときはさすがに焦った
本人に聞いてくれ、なんて
あの状況で言えるはずもなく
適当に答えて
なんとかその場を乗り切ったのも記憶に新しい
それ以来
なんとなく遠ざけてたんだけど
ジナは一瞬こちらを見やっただけで
スマホを弄る手は相変わらずの忙しなさ
少しして
パチンと軽快な音を立てて閉じたスマホが
ベッドの端へと飛んでいくと
JN「今、別れた」
なんでもないかのような表情で
そう言った
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作者名:HEKi | 作成日時:2023年5月14日 23時