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．
『…は？』
今、別れた…？
今って
今のカトクでか？
突然のことに混乱する頭が
ようやく言われたことを理解した頃
無残にも放り投げられたスマホから
着信を伝える音楽が部屋中に鳴り響く
『なぁ、電話』
JN「いいよ、別に」
『うるさいから出ろって
後は電源切っておけばいいだろ』
仕方なくといった様子で
通話ボタンを押したスマホから
微かに聞こえる相手の声
どうやら泣いているらしい
当然だよな
昼間は普通に喋ってたのに
いきなり別れるなんて
まるで昨日の自分を見てるみたいだった
" 最初から別に好きだった訳じゃない "
" 毎日毎日連絡してって、本当にうざいよね "
一方的に別れを切り出された先輩に
昨日の自分を重ねてしまう俺とは違って
ジナは先輩の様子を気にも留めることなく
淡々と言い放つ
そういうやり取りは
俺の居ないところでやってもらいたいと
本気で思う
ジナの口から
先輩の気持ちをどん底に突き落とすような言葉が
次々と発せられていく
仕舞いには
" 二度と僕に話し掛けないで " なんて言葉まで出てきて
同情を通り越して
本気で可哀想になってきた
泣きながら別れないと主張し続ける先輩
最後はジナがそれを無視する形で
一方的に電話を切った
．
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作者名：HEKi | 作成日時：2023年5月14日 23時
