ケモノの国 (ページ6)

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どういうことだろうか。もしかしてここで一生暮らす前提なのか？今日１日だけの可能性の方が高いが、もし前者だったら色々面倒かもしれない……。いや、でもそもそもここがどんな場所かも分からないし、とりあえずシロギツネさんが戻ってきたら、話を聞いてみるか。
噂をすれば、シロギツネさんが戻ってきた。

「お風呂、沸きましたわよ。どうぞ」

「え？いやいや、シロギツネさんの家なんですし、何から何まで悪いですよ。シロギツネさんが先に……」

「ああ、私はもう水浴びを済ませましたので、お気になさらず。」

え？シロギツネって水浴びするの？

「じゃ、じゃあお風呂はわざわざ僕のために沸かしてくれたってこと……ですか？」

頷くシロギツネさん。

「あ、ありがとうございます！借りさせていただきます」

「いえいえ。それじゃあお風呂の場所は――――」

ちゃぽん。

体を洗い、湯船に浸かる。今日1日の疲れがスーッととれていく。色んなことがあった後のお風呂は、まるで極楽のようだった。

「ふー……」

そういえば、と考える。今日は、久々に人間らしく活動したのではないか。人間らしく、というには少し非現実的過ぎるかもしれないが。

浴室を出て脱衣所へ行くと、ちょうど僕にぴったりのサイズの服があった。体を拭いてからその服を来着て、僕は脱衣所を後にした。