許嫁を紹介します ページ31
恋愛とは全然違うけど、家族になってる感じはする。
結婚って、こういうことなんかな?
オレもしたことないから、知らんけど。
「今度どっか行く?」
「どこ行くんですか?」
「決めてないけど」
「なんか、嬉しいです」
嬉しそうに微笑んだ。
その顔にさせてるのが自分だと思うとちょっと嬉しい。
「ドライブとか?」
「デートみたい」
「デートやな」
「楽しみにしてます」
帰ると、いつもと違う部屋に違和感。
ダンボールだらけのそこは、Aさんが引っ越して来た日と同じ。
ダンボールの隙間から出て来たAさんは、なんとも言えない顔で話始めた。
「間違えてたみたいです」
「なにが?」
「私の相手、大毅さんじゃなかったみたいです」
「は?」
何かの手違いでオレの所に来たこと。
別に相手が存在すること。
それを説明し、頭を下げた。
「すぐ出て行きます」
それでこのダンボールか。
ソファーに座って、ちょこまか動く人をぼんやり見ていた。
「その相手と結婚すんの?」
「そうですね、決まりなんで」
またダンボールの間から出て来た。
オレの前に正座した。
「色々、お世話になりました」
あの日、ふつつか者ですが…って、言った時と同じ姿勢で…
「幸せなん?その結婚」
「してないんでまだ分からないですけど」
いつかと同じ答え。
「大毅さんとなら、幸せになれそうでした」
初めて聞いた答え。
立ち上がろうとした腕をつかんだ。
「断って」
「え?」
「ほんまの相手んとこ行くの」
「そんなことしたら、怒られます」
「オレも一緒に謝る」
「そんなことさせられません」
「行きたいん?そいつんとこ」
「ここに居たい、です」
「オレと結婚するんやろ」
「大毅さんと結婚できたら、幸せです」
抱きしめていた。
「もっと幸せにする」
そう言うと、オレの腕の中泣きながら何度も頷いた。
「A、一緒に寝る?」
「結婚前なんで…」
「前はあんなやる気まんまんやったくせに(笑)」
「好きって感情ないとなんでもやって
やろうと勢いでいけるんですけど…
好きになると恥ずかしくて」
「好きなんや、オレのこと」
「なんか意地悪になってません?大毅さん」
「さん、いらん」
「あ、はい…追々」
「で、好きなん?オレのこと」
意地悪じゃない。
聞きたいだけ。
「好きです」
「オレも、好きや」
オレの許嫁を紹介します。
オレが大好きで幸せにしたい相手です。
終わり
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作者名:めい | 作成日時:2020年10月2日 23時