W.box (ページ32)

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嘘はウソをよぶ　続編ページ32

「Aちゃん、良いよな？」

最近良く聞くこれ。

あの後から吹っ切れたように前より明るくなったA。
もともと顔はかわいかったし人気はあったんだろうけど、そこにプラス話しやすさが加わってわかりやすくモテている。

別にオレには関係ないんやけど…
次はお互い良い人が現れて、幸せになろうって…

時間が経って、オレもあんなに好きだった人を徐々に忘れて来ていた。
本当にしげと幸せになってくれればって心から思えていた。

「あ、部長が捜してたよ」

「あ、そうなん？ありがと」

Aとの会話はこんなもん。
ただの同僚。
別にこれが普通なんやけど……

食堂に来たら1人で食べてるAを見つけた。

「ここ座っていい？」

「良いって言う前に座ってるじゃん」

そう言って笑った。

「今日飲み会行くん？」

「あれほぼ強制参加だよね、行くよ。
神ちゃんは？」

「行く」

「ん？どうしたの？」

ちょっと考え事して止まったオレを不思議に思ったのか聞いて来た。

前から神ちゃんって呼んでいたけど…
でも、あの夜…最低な感情でAを抱いた夜、声にならない声で神ちゃんって呼ぼうとしたから、思わずともって呼んでって伝えそう呼ばせた。

そりゃ神ちゃん呼びに戻るわな…
そんな当たり前のことを考えていた……