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許嫁を紹介しますページ30

至ってマジメにそんなこと言うから、ビビった。
この状況をすんなり受け入れたり、
この人、そういう免疫ないんだろうか？

「今まで彼氏いたことある？」
「はい、普通に」

おったんかい！！！
そんなこと全く知らないんじゃって、期待したオレの気持ち！！！

「そういうことって、好きな人とするもんやない？」
「あ～…でも結婚相手なんで、必要かな？と」

「それに関しては追々」
「はい、よろしくお願いします」
「お願いしますって(笑)」
「おかしいですかね？」
「最初っからずっとおかしいんやけどな」
「そうですかね？そう言われるとそうか」

初めて2人で笑った。
笑えるんや…
ずっと真面目やったから笑わない人やと思ってた。

「今日遅くなる」
「先寝てて良いですか？明日も仕事なんで」
「うん、寝てて」
「ありがとうございます。
お仕事がんばってください」
「ありがと」

あの日から増えた2人の会話。

「この鍋めっちゃ美味い」
「これが一番の自信作です」
「なんで今まで作らなかったん？」
「冬を待ってました」
「夏でも全然いけるくらい美味いけどな」
「覚えておきます」

敬語とよそよそしさはまだ残るけど、よく話すようになっていた。

「今日早いですね」
「寝てて良いんに、休みやろ？」
「ご飯作りますか？」
「大丈夫。仕事場行ってから食べれるから」

「いってらっしゃい。
　がんばってください」
「ありがと」
「あ、行ってきますのチューしますか？」
「先輩に聞いたん？(笑)」
「夫婦仲良しの秘訣だそうで…
まだ夫婦じゃないですけど」

Aさんのおでこにキスをした。
ビックリしてそこを押さえてる。

「結婚したら、口にするな」
「あ、よろしくお願いします」
「出た、お願いします(笑)」

「私、大毅さんの笑った顔、好きです」
「ありがとうございます」

なんかこの状況、悪くないな…って、思ってるオレ。

オレの許嫁を紹介します。

時々変なこと言いだしたりするけど、居心地は悪くない空気を作ってくれる人です。