嘘はウソをよぶ tomohiro.k ページ27
ちゃんと自分の気持ち伝えなきゃ後悔する、とか…
大丈夫やから、とか…
自信持て、とか…
オレ、何言ってんだろ？
そばに居れれば、どんな間柄でも良いって…
君を応援するのが、今1番君の近くにいれる方法。
ずるいやろ？
ほんまは応援なんて1ミリもしてない。
こんな嘘つきには、ばちが当たる。
好きな人が友達の彼女になった…
君が望んでいたこと。
オレが一番望まなかったこと。
「今、どういう気持ちで見てんの？」
「普通、意外と冷静」
「逆に怖いわ」
私なら見ないようにするけどね…
そう言いながら隣に座ったのはオレがあの子を好きなことが唯一バレた相手、A。
ガラスを挟んで向こう側には嬉しそうに話している友達とオレの好きな人。
「応援なんかするからだよ」
「してなくてもこうなってたやろ、もともと両思いやねんから」
どっちとも仲の良いオレは2人の気持ちを知っていた。
「なぐさめてあげようか？」
「どうやって？」
気持ちがない繋がりなんて、なんの意味もないって思ってたけど…
オレは絶対にしないって思ってたけど…
心が弱りきっていたんだろう…
Aと関係をもっていた。
バカなことしたな…って、冷静になって思った。
意味を持たない行為なんて。
「昨日、ごめん」
「なんで謝るの？誘ったの私だから」
ごめん、も違うし…
ありがと、も違う気がして…
返事をしなかった。
「昨日、Aと帰ったやろ？」
聞いて来たのは、好きな人の彼氏。
友達のしげ。
「付き合ってんの？」
嬉しそうに言うから、思わずお前の彼女が好きなんだって言おうとしてしまった。
しげは何も悪くないんに。
「そんなんじゃないし」
「そうなんや、てっきりくっついたかと思ったわ。
アイツ神ちゃんのこと好きやったから」
言っちゃった、怒られるかな？って、しげは笑った。
Aにオレの気持ちがバレたんは、オレと同じだったからなんだって、その時分かった。
どんな気持ちだったんだろ？
何を思ってたんだろ？
なんとも思ってない、愛もないその行為の最中に…
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作者名：めい | 作成日時：2020年10月2日 23時
