W.box (ページ25)

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優男　takahiro.h ページ25

優しい人が好きだけど、その優しさが自分だけじゃないと切なくなる。
自分勝手な悩み。

職場が同じで仲良くなって、
いつの間にか友達に昇格して、
2人でご飯行くまでさらに昇格。

誰だって期待するよ…
私のこと、好きでいてくれてるのかなぁ～…
なんて。

今度は彼女って所まで昇格できたらいいな。

「濱田さん誘っちゃった」

帰り着替えをしていたら、聞こえたかわいい声。
それは違う部署の女の子。

一緒にいた子が、どうだった？って聞いた。
その返事に私の耳も大きくなっていた。

「来てくれるって」

やったじゃん！！って、高いテンション。

誰だってあんなかわいい子に誘われたらそうなるよね…
ロッカーを出る時に鏡にうつった自分の顔。

地味………
魅力もなんにもない。

会社を出る時に追いかけて来たのは、今1番会いたくない人。

「飯行かへん？」

あの子との約束、今日じゃなかったのね……

「…行かない」

「え？」

私が断るなんて思わなかったのか、驚いて笑顔が真顔になった。
今まで一回も断ったことなかったもん。

真顔をスルーして歩き出した。

「どうしたん？」

追いかけて来た真顔。

「どうもしない。帰るだけ」

「なんか怒ってる？」

「怒ってない」

ムカついてるだけ！！！
もう期待させないでよ……

「一回止まって！！」

そう言って腕をつかまれ、自然と足が止まった。