第9話 ページ10
銀「さみーな、3月とは言え、冷えんなー」
『いーのにさ、わざわざ送ってくれなくても』
帰ることを引き止める神楽と新八を止めて、結局今の家に帰る事にしたA。
今は夜道なので送ると言った銀時とAは二人で並んで、Aの家へと向かう。
銀「こんな夜道、襲われたらどーすんだよ」
『返り討ちにするさ、私の強さ、アンタも知ってるだろ?』
銀「女は黙って男に送られてればいーの」
『1番危険な男が何をいう』
Aは着物の袂からタバコを取り出し、火をつける。
銀「まだ止めてねーの、タバコ?」
『そう簡単に止めれるものじゃないさ』
銀「…まぁお前のタバコ吸ってる姿、嫌いじゃねーよ」
『ニコチンは体に悪いって説教したのは誰だっけか』
銀「量は減らせとは言ったよ!?煙の匂い嗅ぐと、どっかの厨二病を思い出すからよ」
『ハハッ、晋助のことか』
まだクスクスとAは笑う。
銀「何だよ」
『いや、今日はえらく素直だなと思ってな』
銀「俺ァいつでも素直だろ?」
『どこが』
銀「…失って初めて大切なものの重さに気づくこともあるんだよ」
『………』
歩みを止める銀時にAも立ち止まる。
銀「なぁA。戻って来てくんねぇか?俺ァやっぱりお前が必…」
銀時の言葉をAの細い人差し指で遮る。
『お前さんが私の約束を守れるようになるまで、私は戻るつもりはないよ。私だって、もう二度と大切なものを失う怖さを経験したくないのさ』
銀「A…」
Aは銀時に背を向けて、歩き出す。
『ここらで大丈夫さね、もう家はすぐそこだよ』
銀「A!」
『まぁまた気まぐれに顔出すさ。お登勢さんにまだ会ってないしね。じゃあおやすみ』
銀「…あぁ」
二人の間に冷たい風が吹き抜けた。
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芽衣(プロフ) - ☆りんご☆さん» コメントありがとうございます!電車で吹き出すのは申し訳ないです💦更新頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2月9日 17時) (レス) id: d2b404e22c (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - とっても面白くて、電車で読んでて吹いてしまいました!これからも頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2月9日 16時) (レス) id: a05365e04e (このIDを非表示/違反報告)
芽衣(プロフ) - サーモン13さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2月5日 21時) (レス) id: 6fe95a71fc (このIDを非表示/違反報告)
サーモン13 - この作品めっちゃ好きです!更新頑張ってください!!! (2月4日 20時) (レス) id: 2b34b441a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芽衣 | 作成日時:2024年2月1日 7時