第11話 ページ12
Aは銀時の腕の古傷というにはくっきりと残っている傷をそっとなぞる。
『また傷増やして…傷は勲章の証って10代までだよ。分かってんのかね…』
銀時の寝顔を見ると、うなされているようで眉を顰めている。
それを見たAは、銀時の前髪を払い除け、額に手を当てた。
『大丈夫さ、私ぁここにいるよ』
そう言うと銀時の表情は、少し和らいだ。
しかし、ガバッとか勢いよく体を起こす。
ぼーっと目の前を見ている銀時。
『おはよう』
銀「うおっ、何でAいるんだ?」
『なんでって、ここ家』
銀「は?」
間が開き、桂が部屋に入ってくる。
桂「ガラにもなく、うなされていたようだな。昔の夢でも見たか?」
銀「ヅラ?なんでてめーが…それにAの家って…」
その時、銀時の脳裏に連れて行かれる新八と神楽の姿。
銀「そうだ!!」
銀時は立ちあがろうとしたが、傷が痛み、うつ伏せで布団に倒れ込む。
桂「無理はせぬがいい」
『左腕は使えないし、肋骨も何本も折ってるんだからさ』
桂「向こうはもっと重症だ。お前がかばったおかげで外傷はそうでもないが、麻◯にやられている。死ぬまで廃人かもしれん」
銀「クソガキめ、やっぱやってやがったか」
桂「というか何で貴様はあんな所にいたんだ?」
銀「というかなんでお前に助けられてんだ、俺は?というかこの前のこと謝れコノヤロー!」
『というか目が覚めたんなら帰れ、こっちは非番なんだよコノヤロー』
桂「というかお前はコレを知っているか?」
桂は銀時に小袋に入った白い粉を見せる。
桂「最近巷で出回っている″転生郷″と呼ばれる麻◯だ。辺境の星だけに咲くと言われる特殊な植物から作られ、嗅ぐだけで強い快楽を得られるが、依存性の強さも他の比ではない。
流行に敏感な若者達の間で出回っていたが、皆例外なく悲惨な末路をたどっている」
銀時は虚な目をした新八と神楽を思い出す。
桂「天人がもたらしたこの悪魔を根絶やしにすべく、我々攘夷党も情報を集めていたんだ…そこにお前が落ちて来た。俺と仲間が見つけてなかったらどうなっていたことか…」
『で、何で私の家に来たのさ?』
桂「近かったからだ。それにお前には医療の知識があったからな」
『医療の知識って独学だけどね。というか何で家を知ってるのか聞いてんだけど…』
桂「…というかお前はなんであんな所にいたんだ?」
銀「というかアイツらは一体何なんだ?」
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芽衣(プロフ) - ☆りんご☆さん» コメントありがとうございます!電車で吹き出すのは申し訳ないです💦更新頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2月9日 17時) (レス) id: d2b404e22c (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - とっても面白くて、電車で読んでて吹いてしまいました!これからも頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2月9日 16時) (レス) id: a05365e04e (このIDを非表示/違反報告)
芽衣(プロフ) - サーモン13さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2月5日 21時) (レス) id: 6fe95a71fc (このIDを非表示/違反報告)
サーモン13 - この作品めっちゃ好きです!更新頑張ってください!!! (2月4日 20時) (レス) id: 2b34b441a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芽衣 | 作成日時:2024年2月1日 7時