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14話 ページ15

「エリザベート役の仙一さんはこの位置ね。玉座に座って肘掛に肘つく感じでうつむいている状態からゆっくり顔をあげてくれる」


「仙一すげぇ綺麗やな、これなら幽霊ナンパするやつ出てきたりして」


小林くんがそう言ってくれた


クラス全員でセットの1番広い場所に集まり最終確認をする
学級委員の笹原さんが血のりのついたナイフと小さなライトを持っていた


「これは仙一さんがナイフを右手で握って、怖さを増すためにライトで照らしてくれる人が必要なんや。万が一の時ナンパよけになるから男子のが都合がいいというわけで隣のクラスから人借りてきだで」


そこには笹原さんにつれてこられた侑くんがいた


「行くで仙一」


『えっ』


侑くんは私を引っ張り、玉座の場所まで連れていく
血が溜まっているように見える湯船、その手前にはリアルに作られた拷問器具があった
ところどころに血痕があり、水滴が落ちる音でリアルだった
真っ黒な遮光カーテンで光を遮断し中はくらい
ところどころに置かれたライトでやっと足元が少し見えるくらいだ


『侑くん手伝いなんて大丈夫なの?演劇は?』


「おん、同じクラスの佐倉に衣装作ってもらった代わりに手伝いしてこい言われたから大丈夫や」


「宮くん、仙一さーん」


前から小走りで笹原さんが来た


「ちゃんと説明聞いてよ」


『ごめんごめん』


「これ宮くんライトね、人が来たら仙一さんを少し照らしてほしいんや」


「おん」


「で、仙一さんは玉座に座って左で肘をついてその上にうつむく感じで顔をのせて、人が来たら少し顔をあげるんやで。それで右手にはこのナイフ持っててな」


『うん』


説明が終わると笹原さんは立ち去っていった


『頑張ろうね』


「…………せやな」


侑くんは私のことを数秒凝視していた
なぜ凝視したのかは私にはわからなかった

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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年4月16日 21時

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