光輝く破壊天使 (ページ37)

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帝国学園は調子を取り戻したようで、完全に流れた帝国だ。

ボールは前線に渡り、必殺技の体勢に入った。

「「「“皇帝ペンギン2号”！！」」」

帝国学園といえばこの必殺技。

2-1
3人による必殺技“皇帝ペンギン2号”が雷門のゴールに突き刺さった。

「影山監督の狙いは雷門のスタミナを奪いつつ、前半と後半で試合の流れを変えること。リズムと例えても良いかもね」

「リズム……」

「そう。もし、ピッチャーが投げたスローボールがミットに入る直前に豪速球に変化したら、どうなると思う？」

「スピードの変化に付いていけず……なるほど」

「？付いていけず……何？」

Aは西蔭が発した言葉の先を知りたいらしい。
西蔭の方を振り返り、Aは光のない瞳で見上げている。

「対応に遅れる。またはそれに気づかないまま終わる(・・・)という事だ」

「そっか」

今の雷門は影山監督が考えた術中の沼に沈みかけている訳だ。脱出方法を見つけなければ地上には戻れない。

「音楽で例えるなら、前半はオーケストラ、後半はロックとでも言えば良いかな。前半で体力を奪われた雷門は、今の帝国の動きに着いていけるかな？」

流れは完全に帝国に向いたようだ。前半の勢いがまだ残っている影響で、彼らは本来のポジションを忘れてしまっているのだ。

点を取られる度に焦りは増し、点を取り返さなくてはと考え込んでしまう。

「“疾風ダッシュ”！」

風丸の必殺技“疾風ダッシュ”が雷門DFを襲う。
そして帝国のFWにボールが繋がった。

「“百列ショット”！！」

帝国のシュートが雷門のゴールへと向かう。

「“ウズマキ・ザ・ハンド”！！……きゃあああッ！？」

2-2
遂に帝国が同点へと追いついた。

「これは沼ではなく“底なし沼”に嵌まっているかもしれないね」

雷門のキックオフで試合再開

「“インペリアルサイクル”発動！」

“インペリアルサイクル”
6人でボールを持った相手を中心に六角形を作成し相手からボールを奪う。そして前線へと早いパス回して繋ぐ必殺タクティクスだ。

「これが帝国学園の真の姿だ！！」

2-3
残り時間5分程。
帝国学園が逆転したのだ。

「ここからどうやって立て直させるのか、見物だね」

未だに携帯でゲームをしている雷門の監督に目を向ける。
視線に移ったその人物は、何か企んでいるとでも言っているような表情を浮べていた。

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