カースト最下位の太宰君。【文豪ストレイドッグス】【学パロ】 (ページ12)

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過去の許しページ12

太宰side

私はAをいじめていた。

中学校の頃だ。もう、Aは覚えていないのかもしれない。否＿＿＿

覚えたくなくて、無理矢理忘れているようだった。半分記憶喪失のようなものだ。

それが分かったのは、Aの部屋で中学校の頃の制服を見つけたとき。Aはなんの反応も示さなかった。

でも、私の事まで忘れてしまっているなんて。

今思えば、彼女には随分酷いことをした。今、私が受けている暴力なんて比じゃないくらいに。無視して、暴力を振るって、酷い言葉をぶつけた。

幾ら彼女が泣いても、私はそれをやめなかった。白雪姫の様に美しい彼女が流す涙は甘美な毒。それをずっと見ていたかった。

この学校に入学した時、彼女は赤いパーカを着てフードを被っていた。白雪、という変わった苗字から薄々感づいていたが、彼女の家に押しかけた時確信した。

私が今こんな目にあっているのは、彼女の無意識のうちの復讐だったんだ。

最初、カースト最下位に落とされた時は理不尽だと思ったけど。当然の報いだった。

ねえ、A。

私は、君に許しを請いたい。
君は私を許してくれる？

君が私を許してくれなくても、私は何度だって君を許そう。それが、ただ一つ私にできる償いなのだから。