ブラックキング降臨〜恋に堕ちるまでのカウントダウン〜

キング拡散中01 藤 ページ20

バチっっ





目が泳いでいるのが丸分かりの状態な上に
敵の前で照れを晒し
仔羊と化している彼奴の目を捕らえた！





ここは、一気に攻め込むチャンス！と
俺の本能がそう捉えたようで





「俺のモノになっちゃえよ！」





低い低い泣く子も黙る低音ボイスで
口から勝手に出てきた台詞を囁いた。






身体と脳が瞬時に
この状況に見合った言葉をはじき出し
無意識に口から飛び出すなんて
仕事で渋々とは言え
何年も毎週のように口説き文句を
伊達に囁いてきたわけじゃねーってこと。






しかし、
習慣？習性？てのは恐ろしい……..
自分でも思ってもいない台詞がスラスラと
出てくるんだから
偽物とはいえキングを装ってきた産物。





そして、この至近距離のせいで
仔羊ちゃんの心臓の音までも
こちらに伝わって




ドックン、ドックン




ドクッっ、ドクッっ





ん？待て！待て！おかしいぞ！





心臓の音が2種類も聞こえている
相手は1人のはずなのに
聞こえるはずがない音がしている……
それじゃ、コノもう1つの音は…




俺の心臓じゃねーかよ！





また、お前か〜こんなイイとこで邪魔するのかよ。
自分で仕掛けておいて反応するとか
イけて無さすぎるだろ！
物事にはタイミングってものがあるだよ。
何をしてくれているんだよ〜





せっかく、いい感じに事が進んでいるってのに！
足を引っ張るのは勘弁してくれ。




チョン、チョン




何だよ！俺は今、非常に忙しいんですけど！
突如、暴れ始めた
聞き分けのない心臓に説教をしている真っ最中！
気が散るから、邪魔しないでくれ。





「……お前がそう言うなら喜んで。俺になんて興味ないと思っていたのに。すっごい驚いたけれど、素直に嬉しい。」




だから、今、非常に忙しいから邪魔を




ドックン、ドックン、ドックン、ドックン





ドクッっ、ドクッっ、ドクッっ、ドクッっ





うぅっっ、心臓が痛い！速い！騒がしい！





しかも、俺の方だけでなく
彼奴のも同じ様な事になっている。





何？何が起きている？
つか、喜んで？はぁ？
彼奴は、何を血迷っているんだ？





違う、先に俺が仕掛けたのか
でっ、その返事なら仕方ない





仕方ない？仕方なくねーよ！






ドックン、ドックン、ドックン、ドックン





ドクッっ、ドクッっ、ドクッっ、ドクッっ





だから、お前ら煩い！





今、大変な事が起きていて
この緊急事態発生時に無駄に騒ぐんじゃねー！
大人しくしてろ！

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