中身は30歳、体は3歳 ちっさいおっさん奮闘記

旅行 移動編 03 北 ページ26

タママが次の運転手の為
藤ヶ谷に抱っこされたまま
車へ戻る事に




30歳の時は勿論
3歳児になってからも
こんなに長い事、
身体をベッタリと密着させている事は
なく…………




ドっクンっ、ドックンっ
バックンっ、バックンっ
ズキュンっ、ズキュンっ




小さなハートが
あらゆる音を奏でている。




こんなに密着してて、
藤ヶ谷に伝わってねーかが心配で
益々、加速し音がボリュームアップ。




タママ〜〜違う意味で恋しいぜ〜〜




F「みちゅ、お腹一杯になった？」




K「うん、なった〜〜。」




お腹も胸も満腹過ぎて
胸焼けしそうなくらい……





そして、車に到着するまで抱っこされ
またサードシートの
チャイルドシートに座らされた。




ふぅ〜〜
やっぱり藤ヶ谷にはまだ慣れなくて
息が上手く出来なかった〜




途中から呼吸の仕方がわからなくなるくらい。




運転手だった藤ヶ谷は、
疲れているだろうからと
広いセカンドシートに座る事になって
一安心。




3歳児だと距離が近くて戸惑う〜〜




車が出発するとお腹満たされたのと
いい揺れ具合に睡魔が襲って来る。




S「見て、首がグワァングワァンしちゃってて眠いんじゃない？みちゅ寝ても大丈夫だよ。」




M「目も半開きだしね〜〜着いたら起こしてあげるから、寝てな。」




千賀と宮田の声が遠くに聞こえてくる。





ゆさゆさ、ゆさゆさ




暖かい手に優しく身体を揺らされている。
うぅ〜〜ん、なんだよ〜〜




ゆさゆさ、ゆさゆさ




もう一度、身体を揺らされて
はっ！いっけね〜〜寝ちまった！




F「みちゅ、見て海だよ！」




寝起きに藤ヶ谷のどアップ&優しいボイス〜
多分、俺の表情は驚きを隠せていない〜〜




F「ごめん、ごめん。驚かせちゃったね。でも、海を見せてあげたかったんだ。あっち見てご覧、ほらっ海、キラキラしてるよ〜〜」





S「みちゅ、見える？」





うっうん、見えるよ。
でも、声が出ね〜〜んだよ。




M「宿に荷物を置いたら行こうね〜〜日本なのに外国人しかいない穴場の海水浴場をリサーチしたから、思っきり遊べるよ。」




デカシタ！
さすが、キスマイのGoogleならぬ
宮グル〜〜



K「うん、行く〜〜うぁ〜〜海、綺麗〜〜。」




ようやく、声を発せられた。





この旅行で、まず藤ヶ谷に慣れないとだ。
こんなんじゃ距離なんて縮まらないから
3歳児になった意味がなくなっちまう。




これは温泉旅行という名の
小さなハートの強化合宿だ〜〜

旅行 移動編 04 北→←旅行 移動編 02 北

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す