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影と影の手当ての話 2 ページ7

帝光中バスケットボール部。


言わずもがな超強豪校で、部員の願いはおそらく皆同じ。









『一軍のレギュラーになって試合に出る』









それは勿論僕もそうだった。




でも現実は、どれだけ練習しても、どれだけ努力しても平均以下。



入部時に建てたそんな決意も殆ど薄れかけていた。






でも萩原君との約束を果たすまでは諦められない。






そう自分を奮い立たせ、一人残って自主練を続けた。









そんなある日。


「…あれ?電気付いてる。








…黒子君?」







忘れ物を取りに来た、と言って三軍マネージャーのAさんと居合わせた。









「あれ?黒子君手から血でてるよ?

絆創膏するから手出して?」



手伝う、という彼女の言葉に甘えてボール出しを頼んでいたら唐突にそう言い出した。



軟骨を塗って絆創膏を貼ってもらう




黒「…Aさんも絆創膏たくさん貼ってますね。

どうしたんですか?」


「もうすぐ冬だからねー…洗濯とかドリンクとかやってたら割れちゃうんだよ

それよりいくつか突き指もしてるよね?

テーピングしてないの?」


面倒だから、なんて返事をしたら少しだけ怒って説教した後、彼女はこう続けた。






「じゃあ今日から黒子君の怪我は全部私が手当てするから、怪我したら全部言うこと!!

わかった!?」



















なんで僕なんかのために。





なんで皆の役にも立てない僕なんかに。




なんで、なんでなんでなんで。


















限界だったのかもしれない。



人一倍頑張っても少しも認められないことに。




誰よりも努力しても、"天才"と呼ばれる人達に叶いもしないことに。




いつの間にかバスケを単純に楽しめなくなっていることに気付いてしまったから。

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作者名: | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/haruna0325  
作成日時:2014年12月13日 23時

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