三 ページ4
「何故顔に怪我なんてしてるんです?」
「…」
大きな目をキョロキョロ動かす。
「それに服も汚れてますし。まるで一悶着あったかのようですね」
「それは!……店を汚してすまない。」
「店の汚れなんてお昼になればおかずを落としたり、お茶を零してしまうお客さんがしょっちゅういらっしゃる。のでそこについては気にしなくていいいいです!!」
手当てが終わり、先程まで消毒液を持っていた手でよもやさんの傷近くを触れる。
触れて分かる彼の肌は男の人としてはツルツルとしていた。
羨ましくなる。
「本当はお仕事ではなく、喧嘩に巻き込まれたから…ってわけじゃないんですよね?」
よもやさんはとても見目の良い殿方だ。厄介な男女関係に巻き込まれてって可能性もある……。
この顔に傷だなんて………あったとしても格好良さには変わりないかもしれない…。
そんな馬鹿な事を考えている私だったが、流石に中々返事がないのは気になる。
どうしたんだろうとよもやさんを見れば、少し頬を染めて固まっていた。
「…あの?」
「よもや……」
やっと言葉を発したと思えば、いつもの言葉。
何を意味しているのだろうと首を傾げてしまう。
「大丈夫ですか?」
「…ハッ!いや!…怪我の手当てをありがとう!」
「ど、どういたしまして」
よもやさんと出会って初めてこんなに大きな声を聞いたかもしれない。
「怪我した理由は気分が悪かったりでもしたんですか?」
「な、何故だ?」
「顔が少し赤いし、」
「A料理が出来たぞ」
厨房から聞こえたお父さんの声に返事をする。
「あ、調子が悪いのならば無理に食べなくても良いですよ?それか量を減らすことも」
「大丈夫だ!心配しないでくれ!」
そうは言うがまだ顔の赤みは引いていない。
少し後ろ髪引かれる想いをしながら厨房へ。
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me(プロフ) - 星流さん» ありがとうございます!涙を流せてもらえたなんて…!本当にありがとうございます!嬉しいです! (2020年8月24日 15時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
星流 - 必読の後からボロボロ涙こぼしながら読みましたぁ。なんかもう面白いけど涙止まらなくて両親に不思議な目で見られましたwこれからも応援しますね!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: a0acb0a3f9 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - りなおさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!キュンキュンしてもらえてよかったです! (2020年8月17日 20時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
りなお(プロフ) - とてもキュンキュンさせていただきました…!本編もこぼれ話も泣いてしまいました(TT)素敵な作品をありがとうございます!続きも、楽しみにお待ちしております。 (2020年8月16日 3時) (レス) id: 712037cba2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - ママよさん» ありがとうございます!お待たせさせすみません。 (2020年7月12日 18時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:me | 作成日時:2020年4月27日 17時