【ツイステ】監督生の体液は、魔力を増強させる性質があるらしい。【短編集】 (ページ13)

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グリムとエースと、3人で勉強会をしたあの日から、数日後のこと。
私たちの関係は特に悪化することもなかった。

というのも、エースは驚く程いつも通りに接してきたからだった。
てっきり、デュースみたいに彼もよそよそしくなるものだと思っていたのに、あの日の出来事を丸々と忘れてしまったかのようなあっけらかんとした態度に私は何度拍子抜けしたことか。

デュースはというと、基本的に相変わらずだった。以前のように、気安く肩に触れてくることはもう無い。
ただ、あからさまに避けるようなことはしなくなった。
あの気まずい出来事を忘れてくれたのか、それとも、エースが一言言ってくれたのかは分からないが。
その分だけ、昔の良好な関係に戻れたみたいで嬉しかったのだ。

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長期休みに入った私達は、1年生組だけで集まって、お泊まり会をすることになった。
メンバーは、私とグリム、そして、エースとデュース、ジャックとエペルとセベクだ。

各寮の先輩方に許可をとって、集まってきたメンバーの中には、先輩の猛反対に合ってげんなりとした顔で玄関をくぐってくる人もいた。
その様子に笑みを零しつつ、私は夕飯の支度をした。メンバーの好きな食べ物や苦手な食べ物を事前にリサーチしておいたのを参考に、ゴーストさん達にも手伝ってもらって、大きなピザを作りあげる。
談話室で駄弁っていた皆の元へホールピザを運び込むと、皆はたいそう喜んでくれた。

「わっ、すんげ…
んんっ、すごいよ、A！とっても美味しい！」

「ツナ！ツナが入ってるんだゾ！これは俺様のだからな!!」

「おい、グリム…具だけ食べるな…！」

「フン、まぁ…悪くは無いな!!褒めてやろう!!」

「…声でっか……なーちょっと誰か場所変わってくんね？」

このためだけに用意した大きなテーブルを囲み、私達は楽しい夕飯の時間を過ごした。
ふと、隣に座っていたデュースの方に目をやると、デュースもまた、私の方を見ていた。

…あ、

いつもならここで…すぐにふいっと、目を逸らされていたはずだった。しかしデュースは、一瞬視線を落として思案した後、再び私の方を見つめた。

「……その…これは、Aが1人で作ったのか？」

「…！ううん、私だけじゃなくて、寮にいるゴーストさん達にも手伝ってもらったんだよ。」

…声が震えてしまわないか心配だった。
2人きりで話したのはもう何日も前の事だったから。