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深海王編2 中編 ページ36

しかし、一体誰が予想しているだろうか。

「美味しそうなお肉ぅ、上物ねぇ。
ちょっと本気出しちゃうっ!!」

「んぅ!!」

なんか緑のおかま口調の怪人と二人ほどのヒーローが戦っている場所に遭遇してしまったのだが…
そのすぐ横隣のお宅こそ偶然、私が現在
目指している目的地だったのだ。

「えぇ…困るよ、
頼むからどっか別のところで戦ってよ。」

私がそんな愚痴を吐いて肩を下げる。
流石にこんな所で暴れ回られたら近づこうにも近づけない…

「…どうしようか、
あの林さんのお宅に届ける間、
もういっそ全員の時間止めちゃう?」

幸い、今は彼らヒーローしか此処にはおらず、
私は今、ビルの影に隠れた状態なので、
ここで少しくらい力を使ってもバレなさそうだし。

「…でもなぁ。」

(少しヒーローサイドが
押され気味なような気もするんだよなぁ…)

バングさんに言われた諸々の事もあり
ヒーローの事を無視はしたくないのだが…

しかし面倒事にまた関わって無駄に
私の正体を知る人間があれ以上増えるのも嫌だ。

そんな考えの狭間で葛藤していると、

「覚悟しなっ!変身っ!!」

そうどうしてか囚人服をきているヒーローサイドの一人の声が聞こえたかと思えば

「っ?!!」
私はおぞましいものを目の当たりにしてしまった。

すぐさま顔を逸らしたが、

(うぐっぁ…目がっ!目がぁああ!!!)

戦慄してしまう程のその印象は強烈で
どうやら私の脳裏に焼き付いてしまったらしい。

(な、な、何がヒーローだ!!
あんな変態な奴こそ、怪人じゃないかっ!)

あまりにも唐突に服が破けて
全てが露になるとか…どうかしている。

そう言う事に一切縁がある訳なく、
勿論の事、耐性など微塵もついていない私は
そのあまりにも見るに耐えない状況から
目を逸らした。

「エンジェェエルラァアッシュ!!!
オラオラァああ!!!!!」

何がエンジェルだ、
デビルの間違いだろ…

いやはや、やっぱり
ヒーローは何かがおかしい。

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年9月16日 22時

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