もし「完璧」が存在するなら、私に神はいらない。【ワンパンマン】 (ページ34)

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深海王編1 後編ページ34

「あー、はい。
わかりました。

メールか写真でもいいんで、
住所を送って貰えると助かるんですが…」

(ん？めーる？写真？？
どうやって撮れば良いんじゃ？)

「え、あー、そうですね。
カメラの機能がついてると思うんですけど…」

ガサゴソと何やら店主さんが探しているのは
電話越しに聞こえてくるのだが…

彼の事だ。

まず、カメラの機能を外側から
探している時点でなにかが間違っている。
ボタン一つとか押して
撮れるようなもんじゃないんだぞ…

そんな彼にきっといちから
カメラ機能の使い方を説明しても
ちんぷんかんぷんだろう。

「あー、いやいや、いいです。
口で言ってくれたらこっちで覚えるので。」

(おー、そうかいそうかい！
助かるわい。)

彼から住所を聞いたのを地図の端にメモり、
場所を確認してから、電話を切る。

「まずは林さんの所、
行った方が早いかも…」

此処からだと少しはかかるかもだが
なるべく遠回りせずに一番の近道を通りたい。

「急がば回れ」なんてのは所詮、言葉だけなのだ。
そんなものを私は信じていない…
急いでいるのなら近道をするべきだ。

それにバングさんの道場に行く約束もしている、
「時間」はいくらあっても足りないのだ。

「はぁ、大忙しだよ。
デリバリーサービス提案しなければ
良かったかもしれない…

店主さん、他にバイト雇ってくれないかな。」

そう愚痴ってしまっても仕方ないほどに
私は色々とスケジュールに追われていた。

店主さんの料理が人気だというのは
あながち嘘ではなかったらしい。

今までの注文数は爆発的に増え、
このまま熱狂的なファンが増え続ければ
きっと巷で話題になるほどの名店になるだろう。

だが、何故急にここまで爆発的に増えたのか。

それはただ単に…
今まで彼が展開していた店が
Z地区という超危険地帯にあったから。
行かないよりかは、
行けなかったの方が正しいかもしれない。

…とは言っても、
怪人なんてものは現れる所に現れるものだ。

それを私は常に忘れてはいけなかった。