ボロい店でも味は一級品 後編 ページ32
「ふぅーん。」
やっぱり気の抜けた声をだしながら
彼は拳を下ろすと
今度は私の顔をじろじろと見てくる。
「な、何？」
「その一つ目小僧みたいな目って
どうやって見えてるんだ？」
「はぁ？！！誰が一つ目小僧だっ！！」
おまっ、それは失礼だぞっ！
私だけじゃなくて、私の種族全員に！！
「それで、どんな風に見えてんだ？」
「っ…はぁあああ…」
人の話を聞かない奴らだ…
あのボロスでもまだ少しは話の通じる奴だった。
「普通。」
「おい、先生の質問に
適当に答えるじゃないぞ、怪人。」
今にもエネルギー砲を
ぶち込んできそうな勢いで
私に向かって手のひら向ける男。
こいつの腕、もぎ取ってやろうかな？
「煩い、
お前らと同じって言ってるんだ。
この目で見えなくなるとか、
見えやすいとかそんなのはないって意味…
察しろよ。それくらい。」
「じゃあ。隕石を止めたのはお前のその目、」
「あぁ、もうっ！！
なんで答える必要があるんだっ！
個人情報だから言わないって！！」
「まぁまぁ、二人とも
ワシの弟子をあまり虐めないでほしいのぉ。」
「バングさん…」
「師匠じゃ、A。」
少し見直した気がしたが、
次の瞬間、
「バング。
ワシがいつAちゃんを弟子に
していいと言ったんじゃ？」
「健ちゃん、それはだから、」
「あー、もう本当いいからっ！！
師匠も、店主さんもっ！」
なんだよ、
もう訳がわかんねぇよ…
みんながみんな勝手をしまくる所為で
「正常」が人外の見た目をした
この私しかいないなんておかしいだろ。
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作者名：おぼろん | 作成日時：2021年9月16日 22時
