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隕石編2 後編 ページ23

投稿し忘れていた話を入れました。すいません。2021/10/19


「あの隕石と心中は勘弁したいですね。」

流石に私だって、この巨大隕石に
自分の命を捧げる気なんて毛頭ない。

だが、それ以前に
自分の「平穏」を守る為にはあまり
目立つような行動を起こしづらく…

ギリギリまで、自分は手を比較的、
出したくないという考えなのだ。

たしかに
この巨大隕石が直撃する位置に私一人で居ると
なると全てを諦めて心中したいかような人間にも
見えるだろう。

「おや、」

ご老人が何かに気がついた素振りをみせる。

その次の瞬間、
爆音が聞こえたかと思ったら、
肌身にヒシヒシと熱風を感じた。

「ジェノス君が
頑張ってくれているようじゃ。」

「ジェノスくん?ヒーローですか?」

「お嬢さんはかなり
世間の事に疎いと見えるの?」

「…そう、ですね。はい。
疎いのは自覚してます。」

見た目は若いが、実は百年以上は
ゆうに生きているおばあちゃんだ。

若者についていけるような
ピチピチさは既にもう残してはいない。

「ジェノスくんは最近、
S級ヒーロー番付に入った
スーパールーキーじゃよ。」

「へぇ、そんな人が。」

私とご老人が居る位置からは
ビルで遮られてしまっているので
彼の姿は見えないが、
物凄い光線のようなものは見える。

あれだけの火力を出せる人間はそういない。

「人間」とは弱いもの、みたいな認識は
少しばかりか訂正する必要がありそうだ。

「すごいですね。」

「反応が薄いのぉ。」

「いや、凄いと思いますよ、ほんと。」

確かにあれは凄いが…あれよりも
威力が強いものをこの目で見た事はあるので、
凄いですね、以上は何とも言えないな。

「少しばかりか隕石を
押し返しているようには見えるが…」

少しその「ジェノスくん」を
応援してあげたくなった。

だが…

「…そうですね、」

目を凝らした私は少しだけ落胆する。

「あの威力だとまだ
押し返されちゃいますね…」

「手厳しいのぉ。」

「そんなつもりありませんよ…
私は事実を言っただけです。」

「…ふむ。」

淡々と吐いた私の言葉に
少しだけ黙りこんだご老人。

ちょっと言い方が強かったか?と
少し後悔したが、それよりもだ。
この人は私とずっとこうして
隕石が落ちるまで話しているつもりなのだろうか?

どこかへ避難しようとする様子も見えないから
彼こそ心中をしようとでもしているんじゃないか?

隕石3 前編→←隕石編2 中編



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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年9月16日 22時

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