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新しい晦冥 前編 ページ42

悪行の限りを尽くし、
あらゆる極悪非道な
伝説を作り続けてきた、

「晦冥」

新しき王が選ばれたとの報告は
裏世界では大ニュースとなり
業界を震撼させた。

いや、それ以上に
新しき晦冥の行動が悪目立ちしたのが大きい。

一度、
闇世界の帝王として腰を据えたかと
思えた矢先に突如、
「人身売買」事業という
巨大市場を自ら潰しにかかり…

そして買い取った子供を
全て元の場所へと返す、闘技場の廃止など
裏市場からの「離脱」を鮮明にしたのだ。

この情報が耳に入るや否や
今までの「晦冥」を知る人々は皆、
何故?という疑問と動揺を隠せなかった。

しかし、
それは数年程前の話。

時代の移り変わりは何とも早いもので、

「臆病者」

「腰抜け」

「晦冥の落ちこぼれ」

今ではそんな言葉を吐ける者すら、
未だに少数派ではあるものの
ちらほらと出てきた程だ。

以前であれば、
そんな言葉を裏世界で一度でも
吐こうものなら終わりとまで
言われていたと言うのに…

「ふふふ、」

しかし…あらゆる悪口を
一心に身に受けている本人は
案外ケロっとしていた。

他の裏業者達には秘密裏に
進めていた事業のことを考えながら
ほくそ笑む。

「色々言われるのも
今日をもって仕舞いだな。」

巻物に書かれた数年で
かなりの量となったブラックリストを
広げながら私はそう口に出した。

「臆病者に腰抜けねぇ…
そんな事言いふらされて
いつまでも野放しにしておく訳ねぇだろ。

悪人共が。」

かなりの口調だが、
多少は仕方がない。

実は新事業を始めようと何人かに
わざわざ「晦冥」の名で会いに行った際、

最初の「晦冥」の名のインパクトが強すぎて、
彼らの中でどうやら存在が
誇張されてしまっていたらしく…

現れたのが面を被った餓鬼という、
このあまりの落差に
結果的になめられてしまうという
失敗を何度かした。

やむを得ず、
わざと口調を荒くして、
そして私のアイデンティティである
この両目の写輪眼という
カエデからのアドバイスを付け足してみたら…

…これが大当たり。

異例の「うちは」と言う
強烈なインパクトは会う人々を驚愕させ、
さらに底が見えない「恐怖」へと
置き変わって行った。

「A様、
口調が悪くなっていますよ。
それに写輪眼も出ておいでです。

今は邸内なのですから、
偽らなくて大丈夫ですよ?」

しかし、それによって
今となってはこの感じが
「晦冥」の板についてしまった訳なのだが…

新しい晦冥 前編2→←新しい主人 後編3



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おぼろん(プロフ) - MAREさん» コメントありがとうございます!続編来ました!週末投稿でペースはいつもよりは遅いのですが、これからも続けていきます!  (2021年6月23日 17時) (レス) id: fd0f1f35b3 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 何時の間にか続編が出ていた、、、、おめでとう御座います!! (2021年6月23日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おぼろん | 作成日時:2021年6月19日 15時

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