鬼隠し編−発見 ページ21
｢……まあ、どうせそんなとこだろうとは思ってましたけど。でもこれ、本気でやるなら斧とか鋸が必要じゃないスか？｣
思った以上に深いところに埋もれているようで、かろうじて見えはするけど全く取れそうにない。
多分、というか絶対道具がいる。
｢ああ……ちょっと待ってろ！！｣
先輩は少し考えてから、笑顔で駆けていった。
｢え？ちょっと……｣
追いかけようとしたけど、さすがと言うべきか足が早い。あんなもん追いかける気力が湧かない。
どうせあの調子じゃすぐに戻ってくるだろうし、それまで待っておこうかな。
そう思い、適当にゴミ山の中を歩いていく。
……ふと目についたのは、雑誌の山。誰かが溜まっていた雑誌を一度に処分した故のものだろう。
最初は無視しようと思ったけど、どうにも気になってしまって……そっと、近づいてみた。
それから服とゴミがなるべく密着しないように腰を下ろし、適当な雑誌を手に取りページを捲る。
そう、まだ俺の些細な疑惑は解消できていない。
『……嫌な、事件でしたね。腕が一本、まだ見つかっていないとか────』
あの、伏見先輩の言葉。
どうしても気になるのだ。
｢っ！あった……｣
そうしていく内に、見つけてしまった。
その、記事を。悲劇の始まりとも言える、ページを。
息を呑み、書かれた文字をゆっくり読み上げていく。
｢……『夢ノ咲ダムで、悪夢の惨劇。リンチ、バラバラ殺人。犯人たちは被害者を鉈やつるはしで滅多打ちにして惨殺し、さらに斧で遺体を頭部、両腕、両足、胴体の六つに分割。犯人の内一人は、未だ逃走中』……！｣
脳裏に、あの二人の言葉が浮かび上がる。
『知らないな』
『無かった』
あの二人は、何も知らないと、無かったと言った。
こんな事件、当時夢ノ咲にいたのなら知らないはずがないのに。
｢やっぱり、あったんだ……！｣
あの時、五月蝿いほどに鳴いていたひぐらしは……今にして思えば、これから始まる全てのことを、俺に教えようとしていたのかもしれない。
そう。
これから起こる、全てのことを────。
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ryo(プロフ) - あつこさん» コメントありがとうございます、返信遅くなりすみません。楽しみにしていると言っていただき嬉しいです、とても励みになりました；＿；これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年1月21日 15時) (
レス) id: 4ff49e5c85 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 猫好き野郎さん» コメントありがとうございます、遅くなりすみません。多忙のため長らく更新できなかったことも重ねてお詫びします。少しずつですが更新を再開しようと思いますので、また読んでくださると嬉しいです。面白いと言っていただき嬉しいです；＿； (2017年1月21日 15時) (レス) id: 4ff49e5c85 (このIDを非表示/違反報告)
あつこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2017年1月4日 20時) (レス) id: 15bb1e6fa9 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き野郎(プロフ) - あの、質問(?)なのですが、 続きって書くんですか…? 流星隊･ひぐらしが好きだし面白いので 最後まで見てみたいなと思うのです。 教えて下さいませんかね…? すみませんm(. . )m (2016年9月5日 20時) (レス) id: 0592150d1f (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - Leiaさん» コメありがとうございます、面白いと思っていただき嬉しいです！調べてみたところ、すでにとても素敵な動画があったようですね！ですがこの小説とは関係ないです……勘違いさせてしまいすみません。意図していた訳ではないのでぜひ別物として読んでください^^; (2016年7月31日 13時) (レス) id: 4ff49e5c85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ryo | 作成日時：2016年7月18日 2時
