“個性”『排球部』の少女

試験終わっちゃった ページ14

?「っうゔゔああ"あ"!!!」
「キャー!!」

　はい、どうも、絶賛落下中の天瀬Aです。
　私はまだ無事だけど、地味めの子は両足折れてるっぽいんだよね。
　あ、ちなみに烏野は帰ってもらったよ。こういう時便利だよね。危険を察知的なの。
　体勢的に助けられるようなもんじゃないし……

　『バチン』

?「!!?」
「お茶子ちゃん!?」

　お茶子ちゃんが精一杯私達の頬をビンタした。

　そのままゆっくりと浮遊する。

麗「解除。」

　指の腹を合わせる。そうすると、お茶子ちゃんが浮かしたロボ達と一緒に、ふたりは落下した。
　痛い、まだ急降下よりはマシだけど、かなり痛いよ。全身打撲だよ。

　でも、キャパ超えで激しく酔っているお茶子ちゃんには文句も言えず……

?「ぐっうううゔゔゔゔゔゔ。」
「!?」

?「良かった…!」

　“感謝の気持ち”、これって、ヒーローじゃなくても持てるものなんじゃないかな?
　別に、ヒーローじゃなくても人助けはしてもいいんじゃないかな?

?「ゔっゔゔ〜せめて…!!1Pでも…!!」

　え!?P取ってないの?

プ「終了〜!!!!」

　嗚呼終わっちゃった。

「お茶子ちゃん!?」

　私はお茶子ちゃんのもとへ走り出した。

麗「Aちゃん……」
「立てる?平気?」
麗「う、うん……」
「駄目じゃん!」

「『繋げ』」

　私の周りに音駒メンバーが現れた。

「お茶子ちゃん治して!」
夜「あぁ。」
犬「オッケーです!」
リ「Aは大丈夫?」
「うん!平気だよ!」

　走り出そうとしたら、パシッと腕を掴まれた。

黒「大丈夫じゃねぇな?」
「ｳﾞｯバレた……」
孤「血、出てるし。」
「全身打撲です。お願いします。」

　鉄朗兄は笑って私を撫でた。光が優しく肌を撫でるような暖かさ。
　次の瞬間、私の怪我は治っていた。

モ1「あいつ何だったんだ…?」
モ2「いきなり“ギミック”に飛び出したりして…」

　地味めの子に関する話を、皆はしている。でもさ、見るとこは違うでしょ?
　あの子は、お茶子ちゃんを救おうと飛び出したんだよ!!
　残り時間…己の身の安全…合格に必要な要素を天秤にかけ…

　それでも尚一切の躊躇なく!!!

　私はまだPたくさん稼いでいたから良かったけどさぁ。

さぁ帰ろうか!!→←ヒーローの大前提

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