【FAIRYTAIL】メカクシトリップPart2★仲間を探しに★【カゲプロ】 (ページ31)

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☆７３☆過去編3 ページ31

黒い蛇に飲み込まれた後、私は暗い空間にいた。
痛みも感じないから、死んでしまったのかと思った。でも身体があるという感覚はある。

しばらくその場を彷徨いた。
どれくらい歩いただろうか、時間も分からずただ暗い場所をずっと、ずっと…

しばらくすると、1つの小さな光を見つける。
ゆっくりと近づいてその光に手を伸ばす。すると光は大きくなり、私を包み込んだ。
あまりの眩しさに目を瞑る。光が少し和らいだと思った時にゆっくりと目を開け…1人の女性を見つけた。

背が低く、幼い少女かと思ったけど…大人びたような不思議な人だった。

その人が私の方へ振り向くと、驚いた様な表情をする。
顔に鱗のような模様があって私も驚いたけど、ようやく誰かと出会えたからすぐにどうでも良くなった。

貴「えっと…こんにちは？」

「な…何故ここに！？というか疑問形…」

貴「ずっと暗いとこを歩いてて、そしたらここに来たの」

初めはお互い訳が分からないという状態で話していたけど、少しずつ整理して冷静になってきた。

この女性はアザミというらしい。さん付けは止めろと言われたから呼び捨てで。
どうやら黒い蛇に飲み込まれたのは間違いでは無い…と言っても食べられて消化された訳ではない。

そしてここは『カゲロウデイズ』という創られた場所で、私は死にかけてここにやってきた。
更に、とある能力が私と適合したというけど…

貴「目を向ける？」

ｱｻﾞﾐ「うむ、少し前にカゲロウデイズで異常が発生してな…私の持っている能力とは全く別のものが生まれたのだ。で、その別の能力がAと適合したのだな」

このような例外が起こるとは想定外だ、と呟くアザミ。私も複雑な気持ちだった。

ｱｻﾞﾐ「兎に角、Aは『命の代わり』を得たのだ。向こうに戻って生活する事が出来るぞ」

貴「戻って…？」

戻っても家族はいないのに、戻る意味はあるのだろうか。
命を与えてもらったのに、こんな事を考えるのは凄く申し訳ない…だけど……

ｱｻﾞﾐ「…では、もし向こうで私の孫と会えたら、仲良くして貰えないだろうか」

貴「お孫さんに？」

ｱｻﾞﾐ「もしかすると会う機会があるかもしれん…その時はよろしく頼む」

頼みがあるなら…生き返っても、いいのかな。
アザミはここから出る事が出来ないみたいだし。

こくりと頷き、約束する事にした。

そして最後に、アザミはこう呟いた。

ｱｻﾞﾐ「『目をかける』」