検索窓
今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:63,029 hit

★72★過去編2 ページ30

目を疑った。
これは何?この赤いものは何?

嘘だよね、何かの間違いだよね、嘘だよねそうだよ嘘だよね?お願いだからそう言ってよ。

お母さん、どうしてそこで寝ているの?
……なんで、うごかないの?



貴「お母…さん?」

「い、嫌……」





ガタリ、と後ろから音が響いた。
ゆっくり振り向くと、そこには手に刃物を持ったお父さんがいた。

帰って…きてたんだ。いつの間に。
身体の震えが止まらない。小刻みに震えて足が動かない。




「何奴も此奴も…俺の気持ちも知らないで…っ消してやる、全部消えてしまえ!ははは!!」


お父さんは狂ったように笑いながら…泣きながら、私達の方へと歩いてくる。

お父さんが不機嫌になるのは大抵が仕事に関することだ。一体職場で何があったのかは知らないが、ここまでお父さんを狂わせていたのだ。

刃物を振りかざし、私達に目がけて振り下ろすと同時に…お姉ちゃんは私を後ろに隠すように腕を引いた。



そして一瞬、鈍い音が響いた。




貴「お姉、ちゃん?」



すべてがスローモーションに見えた。

ゆっくり倒れていく。
お腹を赤く染めたお姉ちゃんが、ゆっくりと。
それはとても、嫌に長く感じた。



貴「お姉、ちゃん?…お、お姉ちゃん!!!」



何度お姉ちゃんを呼んでも、返事を返してくれない。
必死にお姉ちゃんの身体を揺する私に、お父さんは再び刃物を振りかざした。




このままでは私も…


その時、プツリと糸が切れるような感覚と同時に、とある別の感覚に襲われる。

この時の私にはこの感覚が何なのか分からなかった。今なら分かる…許さないという、底から煮えたぎるような怒りの感情だ。




貴「ぁぁ…ぁぁあああああああああ!!!」

父「っ!!?」




振り下ろされる前に、必死になってお父さんの懐に体当たりをする。私にとってこれが必死の抵抗だった。

…だけど、力は到底及ばず。すぐに突き飛ばされ、その後はお姉ちゃんと同じように…お腹が赤く染まり、今まで味わったことのない激痛が走る。

私はその場に倒れた。


しばらくして、お父さんはその場から逃げだした。
今この場にいるのはお母さんとお姉ちゃんと私だけ。

意識が朦朧とする。
このまま、私は死んでしまうの…?

こんな最期……誰も望んでいなかったはず。



そんなことを思っている時、一瞬目を疑った。








黒い蛇が、私とお姉ちゃんを飲み込もうとしていたのだから。

☆73☆過去編3→←☆71☆過去編1


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!

ラッキー魔法

氷の滅竜魔法


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
設定タグ:カゲプロ , FAIRYTAIL , 剣咬の虎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

光鶴(プロフ) - サトリさん» ありがとうございます^^ (2014年6月22日 11時) (レス) id: 7027c2230a (このIDを非表示/違反報告)
サトリ - はじめまして!この作品みてて楽しいです! (2014年6月21日 20時) (レス) id: d9d88de9d8 (このIDを非表示/違反報告)
光鶴(プロフ) - 深海少女さん» はい!更新頑張ります^^ (2014年6月10日 17時) (レス) id: 7027c2230a (このIDを非表示/違反報告)
深海少女 - 更新頑張って下さい! (2014年6月9日 23時) (レス) id: a6f69421c1 (このIDを非表示/違反報告)
光鶴(プロフ) - 崘さん» ありがとうございます!!更新頑張っていきます! (2014年6月8日 22時) (レス) id: 7027c2230a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:光鶴 | 作成日時:2014年5月30日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。