★72★過去編2 ページ30
目を疑った。
これは何?この赤いものは何?
嘘だよね、何かの間違いだよね、嘘だよねそうだよ嘘だよね?お願いだからそう言ってよ。
お母さん、どうしてそこで寝ているの?
……なんで、うごかないの?
貴「お母…さん?」
「い、嫌……」
ガタリ、と後ろから音が響いた。
ゆっくり振り向くと、そこには手に刃物を持ったお父さんがいた。
帰って…きてたんだ。いつの間に。
身体の震えが止まらない。小刻みに震えて足が動かない。
「何奴も此奴も…俺の気持ちも知らないで…っ消してやる、全部消えてしまえ!ははは!!」
お父さんは狂ったように笑いながら…泣きながら、私達の方へと歩いてくる。
お父さんが不機嫌になるのは大抵が仕事に関することだ。一体職場で何があったのかは知らないが、ここまでお父さんを狂わせていたのだ。
刃物を振りかざし、私達に目がけて振り下ろすと同時に…お姉ちゃんは私を後ろに隠すように腕を引いた。
そして一瞬、鈍い音が響いた。
貴「お姉、ちゃん?」
すべてがスローモーションに見えた。
ゆっくり倒れていく。
お腹を赤く染めたお姉ちゃんが、ゆっくりと。
それはとても、嫌に長く感じた。
貴「お姉、ちゃん?…お、お姉ちゃん!!!」
何度お姉ちゃんを呼んでも、返事を返してくれない。
必死にお姉ちゃんの身体を揺する私に、お父さんは再び刃物を振りかざした。
このままでは私も…
その時、プツリと糸が切れるような感覚と同時に、とある別の感覚に襲われる。
この時の私にはこの感覚が何なのか分からなかった。今なら分かる…許さないという、底から煮えたぎるような怒りの感情だ。
貴「ぁぁ…ぁぁあああああああああ!!!」
父「っ!!?」
振り下ろされる前に、必死になってお父さんの懐に体当たりをする。私にとってこれが必死の抵抗だった。
…だけど、力は到底及ばず。すぐに突き飛ばされ、その後はお姉ちゃんと同じように…お腹が赤く染まり、今まで味わったことのない激痛が走る。
私はその場に倒れた。
しばらくして、お父さんはその場から逃げだした。
今この場にいるのはお母さんとお姉ちゃんと私だけ。
意識が朦朧とする。
このまま、私は死んでしまうの…?
こんな最期……誰も望んでいなかったはず。
そんなことを思っている時、一瞬目を疑った。
黒い蛇が、私とお姉ちゃんを飲み込もうとしていたのだから。
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光鶴(プロフ) - サトリさん» ありがとうございます^^ (2014年6月22日 11時) (レス) id: 7027c2230a (このIDを非表示/違反報告)
サトリ - はじめまして!この作品みてて楽しいです! (2014年6月21日 20時) (レス) id: d9d88de9d8 (このIDを非表示/違反報告)
光鶴(プロフ) - 深海少女さん» はい!更新頑張ります^^ (2014年6月10日 17時) (レス) id: 7027c2230a (このIDを非表示/違反報告)
深海少女 - 更新頑張って下さい! (2014年6月9日 23時) (レス) id: a6f69421c1 (このIDを非表示/違反報告)
光鶴(プロフ) - 崘さん» ありがとうございます!!更新頑張っていきます! (2014年6月8日 22時) (レス) id: 7027c2230a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光鶴 | 作成日時:2014年5月30日 16時