【FAIRYTAIL】メカクシトリップ☆魔法の世界へ☆【カゲプロ】

☆１１☆消滅 ページ14

滅竜魔法を使いこなせるようになり、この世界の文字も完璧に覚えた。

　歌魔法(ソングマジック)を使ったときはもう、凄いとしか言えない。魔力の質を高めたり体力を回復させたり…ただ怪我を治すことは自分には反映されないみたいだった。

　あと、音楽を聴きながら歌うことでその能力はより強く発揮されるようで、テンポが違ってしまうと効果がなくなってしまう…音楽プレイヤーがあってよかった。
　だけどいずれは音楽プレイヤーなしでも歌魔法を十分に使えるようになりたいかな。要特訓ということで。


　修行をして、ご飯を食べて、ちょっとした冒険をして…そんなこんなで楽しい日々が過ぎてゆき、あれから5年。私が8歳になった頃。



　私の覚えている限りでは、777年7月7日。



――――
――




　ホワイティア達は私の目の前で消えた。




　本当に突然の事だった。
　また今日もいろんな話をしようと思っていたのに。気が付いたら何処にもいなくなっていた。





貴「なんで……？」




貴「ホワイティアーっどこにいるのー！？」



貴「アクアリィーっ」



貴「フォレスギアーっっ」










　何時間もホワイティア達を探した。家の周り、近くの森、兎に角思い当たる場所はすべて探した。
　…それでも、見つからなかった。




　ずっと走って探していたものだから、体力の限界がきてその場に座り込む。それと同時に大粒の涙が溢れ出し、ポタポタと地面に染みをつくっていく。




貴「そんな……これからどうすればいいの？」



　再び1人になってしまった。
　そう考えると、あの頃の出来事が頭をよぎる。



　大好きな家族が、目の前で倒れるのを。

　…大好きな家族が、飲み込まれてしまうのを。





貴「家族が、いなくなるなんて…そんなの……っ」




その日の夜、静かな森の中で、1人の少女は泣き叫んだ。






――――――
―――



　しばらく泣いてから、私は初めてホワイティアと出会った場所に辿り着いた。
　あの時の光景は今でも鮮明に覚えている。



貴「どうすれば…なんて、考えてられないよね」



　どうして突然いなくなってしまったのかはわからない。だけど、これだけはわかる。
　捨てられたのではない、と。

　…私はもう、何もできなかったあの時とは違う。




　そうして私は、旅に出ることを決心した。
　旅の途中で再会できることを信じて。

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