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教祖様とわたし ページ2

親が鬼に殺された。



朝目が覚めたら両親が死んでいた。
どろどろとした血の匂いが部屋中に充満して吐き気がした。
隣の家から野太い男の断末魔が聞こえてきた。窓から覗いてみると変わった隊服を着た人間が出てきた。女性だった。
咄嗟に家から出て、その人に助けを求めた。女性は優しく私を抱きしめてくれた。女性から微かに血の匂いがした。女性は鬼殺隊という鬼を斬る仕事をしている人らしい。

女性はしばらく私の面倒を見てくれた。優しい人だった。
数日後、私の親戚が女性のもとを訪ねてきた。母の妹だった。私と会ったのは三歳の頃が最後だという。
叔母は女性から私を引き取ると今までのお礼を言ってくれた。
女性と会えるのは少し寂しかったけど、私がいると食費がかかってしまうからと考えれば辛くはなかった。

叔母に連れられたところは山奥の大きな日本屋敷だった。変わった場所だった。
万世極楽教という教団らしい。叔母はこの宗教にのめりこみ毎日修行を重ねているという。
「教祖様にまずはご挨拶しましょうね」と叔母は言った。どうやらここの宗教は教祖と呼ばれる者がいるらしい。

大きな部屋に連れていかれた。目の前に閻魔のような帽子を被ってにこにことほほ笑む男がいた。
「教祖様、先日お話しした私の姪です」心なしか興奮気味の叔母が言う。
「おや。君があの?……両親が殺されて、大変だっただろう?」
優しそうな声でゆっくりと彼はそう言った。

なんだか、その声で胸がすっと苦しくなった気がした。
金縛りのように締め付けられたわけでもない。気のせいだったのかもしれない。
でもこれが、私と彼の出会いだった。

その弐→←わたしたち



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nerine(プロフ) - すごく面白いです!少し詰まっているので、所々改行したらもっと読みやすいかなぁと思います。 (2020年1月18日 4時) (レス) id: b9ed9857b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふぃしゅあ | 作成日時:2019年10月21日 22時

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