デート取り付けた ページ27
「どうしますか?Aさんずっとあの感じですよ?」
「夏祭りの頃から妙にイライラしてるよなぁ...」
机の上の書類と向き合いながら、後ろから覗いている隊士達の声にイライラする。
「あれか?欲求不まンゥゥゥゥ!?」
恐らく欲求不満、と発しかけた隊士に私の中の何かがキレた。
思わず机の上にあった団子の串を隊士達の横の柱に飛ばした。
狂うことなく目標へと飛んで行った串は、シュウゥゥゥ、と音をたてながら柱に突き刺さった。
『くだらねぇこと言ってんじゃねェぞ。
この私が仕事をしてるんだ。お前達は何をしてる?
心配してくれたことは感謝する。
だが仕事をしろ。...散れ。』
私の相当な怒気を含んだ声に恐れをなしたのか、一目散に仕事へと戻っていく隊士達。
へん、おとといきやがれってんだ。
「普段サボりまくってる奴が何言ってんだ。」
消えた隊士達の代わりに現れたのは、トシ。
手に持っている紙の束に、嫌な予感がする。
「これ、追加だ。明日までに提出しろよ。」
あまりの絶望感に、無言でそれを受け取る。
珍しく何も言わない私を不思議に思ったのか、障子を閉めて中に入ってきたトシ。
私の隣に座ると、持っている筆を置かせた。
「なんでそんなにイライラしてる?」
なぜ、と言われれば理由は一つしかないだろう。
『夏祭りの一件で、明らかに書類作業が増えた。
これだけ山積みにされちゃ、サボることなんてできないでしょ。』
晋助め、許さん。
本当はあの時涼しい顔をしてこれから私の身に降りかかるであろう災難をあの右目で見下ろしていたかと思うと、クソほど腹が立つ。
「...体、固まってるだろ。
いざという時に体が動かないと困る。
しばらく休んでいい。」
そんなことしたらこの書類は誰がやるんだ、と問うと、俺がやる。と帰ってきた。
『ダメ。トシだって仕事多いでしょ。
これ以上増やしたら体壊すって。』
「...じゃあ、〆切を伸ばす。
せめて少しでも休め。」
〆切を伸ばしたら、結局その後大変になるのは出来上がった書類をチェックするトシだろう。
『〆切も伸ばさなくていい。
その代わり...今度の非番、デートしよ。』
「...それでいいのか?」
『うん。非番の日、確認しといてね。』
ほら帰った帰った、とトシを追い出す。
トシが部屋から出た瞬間に、デートの約束をいい感じでこじ付けれたことにガッツポーズをした。
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、りょうやん。(プロフ) - なつみ@にゃっつんさん» ありがとうございます!どうぞお楽しみください! (2018年5月26日 16時) (レス) id: b831ce7405 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ@にゃっつん(プロフ) - 初コメ失礼します、とても面白いです。読むスピードがスラスラ上がってく感じで、とても好きです。まだ途中までしか読めてませんが続編もしっかりと読ませていただきます┏● (2018年5月21日 21時) (レス) id: ed542c7469 (このIDを非表示/違反報告)
、りょうやん。 - 赤猫さん» そんな、まだまだだぜぃ笑 でもありがとよ笑 リクとかバンバンちょーだいね! (2017年1月21日 12時) (レス) id: ee6e86d7d7 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫 - 相変わらず話の書き方うまいのぅ…(*^o^*)尊敬してます! (2017年1月21日 12時) (レス) id: 6e13e78cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:、りょうやん。 | 作成日時:2017年1月6日 23時