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そして初めての温泉街に興味津々な様子の兄妹に、巽は優しく微笑んだのだったが、その和やかな雰囲気とは程遠い様子の藍良とマヨイ。実は先程、どちらが彩葉を抱っこして行くかで揉めている際「いろは、あるく!」と彩葉に言われてしまったのだった。抱っこが大好きな彩葉も、流石に自分で歩きたい時だってあるようで、今回は初めての場所ということもあり、張り切って自分で歩いて温泉街までやってきたのだった。
「彩葉が…っ、私の彩葉が…!張り切って歩く姿はそれはもう可愛らしかったですが…。抱っこをできないなんて寂しすぎますぅ…っ」
「うぅ…、おれの彩葉が…、そりゃ街並みを眺めながら楽しそうに歩いてるのはめちゃくちゃ可愛いかったけどさぁ…!おれが抱っこしたかった…っ」
そして彩葉を抱っこできなかった二人はこうしてズーンと沈みながらもブツブツと何かを呟いているのだった。
「あぁ、ほら一彩さん。射的がありますよ♪行ってみますか?」
「ふむ。あれが射的というものなんだね!彩葉、行ってみよう!」
「うん!」
そして温泉街を歩くこと数分、射的を見つけた巽が一彩に声をかけると、一彩は射的にとても興味をもっていたようで、早速行ってみることに。ちなみに藍良とマヨイは未だ沈んだままのようだが、しっかりと一彩たちの後をついて行くのだった。
「この銃であそこにある物たちを狙えばいいんだね?」
「そうですな♪彩葉、あの中で何か欲しいものはありますか?」
そしてものは試しだと早速射的をしてみることに。興味津々な様子で射的銃を眺める一彩。そして巽は、どうせ狙うのならば彩葉の欲しい物をとってあげたいと、彩葉に欲しい物を聞いている。
「ん〜…、あ!くましゃんがいい!」
「…ぐ…っ!…あのくまさんですね、わかりました!巽お兄ちゃんがとってあげますね!」
「いやいや!彩葉!藍良お兄ちゃんがとってあげるからね〜!」
「い、いえいえ!ここは私が…!彩葉、マヨイお兄ちゃんがとってあげましょうねぇ♪」
そして沢山並んでいる景品の中から彩葉が選んだものは、クマのぬいぐるみだった。そしてそれを聞いた瞬間、さっきまで沈んでた藍良やマヨイもすぐに復活し、今度は巽も交え、誰が彩葉にぬいぐるみをとってあげるかで揉めている様子。しかしその瞬間、パンッ!と勢いよくコルク玉が飛び出した音が鳴り響いたのだった。
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迷子(プロフ) - いちごさん» 反応集まで見ていただけてとっても嬉しいです!ゆったり更新ではありますが、今後も是非お楽しみください♪ (2022年5月25日 17時) (レス) id: d396ecb2f9 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 初めまして!この作品とても面白くて見てます!反応集もとても面白かったです! (2022年5月25日 16時) (レス) @page43 id: 176077d2f8 (このIDを非表示/違反報告)
迷子(プロフ) - 綺音さん» そんなことを言っていただけてとっても嬉しいです…!ありがとうございます!! (2022年5月7日 8時) (レス) id: d396ecb2f9 (このIDを非表示/違反報告)
綺音 - 夢主ちゃんにメロメロのfineのメンバーもかわいい…!この小説が私の生きがいだわ... (2022年5月7日 4時) (レス) @page41 id: 2f872b552c (このIDを非表示/違反報告)
迷子(プロフ) - 美紀さん» 本編だけでなく反応集の方にもコメントをいただいたようでありがとうございます!お互い体調に気をつけましょうね! (2022年3月4日 20時) (レス) id: 7c49e41a7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷子 | 作成日時:2022年2月15日 23時