4、独り暮らしは自立の証拠 ページ4
××
(……あんな風に、笑うんだ)
衝撃を受けた。
彼女が満面の笑みを顔いっぱいに咲かせて笑い声を上げているのを見て───否、世界最高峰の名探偵である自分がそんなことで衝撃を受けたという事実に衝撃を受けた。
相手は武装探偵社の元敵組織の長、しかも、彼女の異能力に懸賞金を懸けていた男だ。無論、二人にそんな壁を越えた友情があるということは解っていた。───しかし、あんな笑顔を見せるなんて。
Aちゃんのあの笑顔、見たことあったけ、と乱歩は考える。彼女と二人で事件現場まで行った日。その帰りに寄った駄菓子屋で「乱歩先輩」という語感の良さにはしゃぐAを見たことはあるが──
「あっ、乱歩先輩！」
フランシスと別れたらしいAが、乱歩に気づいて小走りで歩み寄ってきた。
「……おはよう」
「おはようございます！さぁ、行きましょう！」
妙に快活な声を出すAを見つめながら、乱歩は静かに頷いた。今はモヤモヤしている場合ではない。どうしても彼女に
「Aちゃんさぁ、最近変わったことなかった？」
「……？はい、特には。あ、強いて云うのであれば、乱歩先輩が突然朝迎えに来るようになった───ことですかね」
「それは変わったことじゃあないでしょ！」
「いえいえ、十分変わったことですよ。
世界一の名探偵である貴方様が、わざわざ一事務員である私を迎えに来るなんて、大事件だとお思いになりません？」
心なしかAの瞳に僅かな陰りが射す。
女は勘に鋭い生き物だ、という言葉は昔からよく聞くがそれはAとて例外ではないのだろう。というよりも、探偵社の女性達は皆、勘に鋭いからAも影響を受けているのかもしれない。ナオミちゃんと仲良いし、と乱歩はナオミの姿を思い浮かべる。
「Aちゃんさ、独り暮らしやめたら？」
不意に、Aの足が止まる。
「……何故ですか？」
最初から予想していた質問に「何でだと思う？」と聞き返す。少し間が空いたあとに「……わかりません」と、これまた予想通りの答えが返ってきた。
「……独り暮らしをやめろ、ということは誰かのお世話になることですよね？そんなのご迷惑をおかけするだけじゃあありませんか。勿論、乱歩先輩が心配してくださっているのは理解しておりますが、」
私は上手くやれてますから！と笑顔を浮かべるAに乱歩は胸の中で吐き捨てる。
ぜんっぜん、上手くやれてないじゃん。
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柊あんず(プロフ) - 香さん» いつもありがとうございます〜！早速五部の続編もあげましたのでぜひ！！はい、番外編の方の更新はいつになるか分かりませんが今後とも宜しくお願いします…(笑) Twitterやコメントなど、本当に感謝しきれません…！ (2020年6月28日 19時) (
レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 四部完結おめでとうございます！四部は七竃ちゃんが不憫すぎて...五部でどんな展開になるのか楽しみです！ Twitterフォローさせて頂いたり、番外編の方のリクエストもさせて貰いました！五部も楽しみに待ってます！ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 後書き。 これにて四部は完結となります！ページ数が足りなすぎて今回はここで書くことになってしまいました。ラストの表紙は竹やま様より。四部の感想などもありましたらぜひ(笑) それではまた近々五部でお会いしましょう！！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 香さん» ありがとうございます！四部もあと少しで終わりますからね！毎回感想を頂けてとっっても励みになります…！ふふふ…続きが気になると仰って頂けるのは作者として本当に嬉しいです…！今後ともどうか宜しくお願いしますね！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 更新されてる！！今回もとても面白い話ばかりでした！探偵社と七竃ちゃんの距離がだんだん開いていってしまうようでハラハラしてます。続きが気になりすぎる！！ (2020年6月19日 7時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
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