27、ヒーローは遅れてやって来る ページ28
××
司法省から戻り、報告書の作成が終わったのは午後八時頃だった。もう既に外は暗くなっていて私はまだ作業を続行している国木田先輩に声をかける。
「じゃあ、私はこれで。国木田先輩も早く帰った方が良いですよ」
「あぁ。とりあえずこれだけまとめたら俺も帰るつもりだ。夜道には気をつけろよ」
「はい。では、また明日」
国木田先輩に別れを告げて、探偵社を出る。
此処は駅や繁華街からとは少し離れているからか、しんとした夜の静けさが辺りを包んでいた。静かなのは良いことだが、矢張り夜道は怖い。ただでさえ、
「おっ、かわいい女の子はっけーん！」
楽しげな声と共に、数人の足音。
酔っぱらいらしき男性三人組が私の目の前に現れた。アパートはもう目前なのに、こんなところで捕まってしまうなんて……と頭痛すら感じる。
「ね、君、めちゃくちゃ若いね？いくつよ？」
「……八十七です」
「え、わっかーって……え、八十七？」
目を瞬かせる男性を無視して、そのまま横切ろうとすればもう片方の人に手首を掴まれる。
「なっ、何するんですか！離してください！」
「もうちょっとお話しようよ〜！」
「いえ、もう帰ります」
「そんなこと云わないでさ、ね？」
あぁ、このままでは埒が明かない。
そう悟った私は深く息を吸い込んだ。ご近所迷惑になってしまうがここら辺は住宅街だし、大きな声を上げれば驚いて逃げてくれるはず───いざ叫ぼうとした瞬間、男性の手が捻り上げられた。
「男数人で、か弱い少女を取り囲むなんて、
紳士の風上にも置けないな」
月の光と同じ光を放つ、金色の髪。
エメラルドグリーンの瞳が、私を射抜いた。
「待たせたな、Aくん」
余裕たっぷりに笑うその姿は、今の私にはどんなアメリカンヒーローよりも格好良く見えた。きっとクラークケントだって今の�爐△靴覆�おにいさん�瓩粒聞イ茲気砲鷲蕕韻討靴泙Δ里世蹐Α�
「んだよっ、てめぇっ！」
「……弱いパンチだ」
あしながおにいさんは男性のパンチを片手で受け止めるとそのまま押し返す。きっとただものではないと察したのだろう。男性の中の一人が逃げて行ったことを拍子に、全員逃亡した。
「……助けて頂くの、これで二回目ですね」
「あぁ、これは貸しだぞ。Aくん」
自信満々に笑みを深めるあしながおにいさんを見て、つられて微笑が零れた。
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柊あんず(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» こちらの方にもコメントありがとうございます！目……目、大丈夫ですか！？ムスカ大佐！？((( (2020年1月25日 21時) (
レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 目ッ…目がァァ……！！！← (2020年1月25日 20時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 果汁ジノ％さん» 国木田さんがいたのはアニメですね！確認しましたがやっぱり原作のパーティーに国木田さんはいなかったのでもう既にあの時には捕まっていたんだと思います！よってこれは伏線ではありません……(笑) (2020年1月25日 19時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ％(プロフ) - 原作では国木田さんもパーティーに出ていたような…まさか、逮捕の時期が早まったのも伏線なのか…！？ (2020年1月25日 19時) (レス) id: 119f59d457 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ひいやさん» コメントありがとうございます〜！33話の伏線、そして腕の件は四部でちゃんと回収するのでご安心ください〜！「緑の灯」についてはフィッツジェラルド様の著者「グレート・ギャツビー」からの引用になるので、完全に史実ネタですね！ (2020年1月25日 11時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
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