迷い子 (ページ6)

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6話ページ6

「声をかけてもらってすごく嬉しいよ！」

まさかこんなところで会うとは思っていなかった、と彼女は凪砂くんとの再会を喜んでくれていた。

「でも大丈夫なのかな？」

「アイドルが一般女性と…なんというか普通にカフェでお茶をして、会話なんかをしたりしちゃって…」と彼女は首を傾げていた。
おや？ぼくたちがアイドルだって気づいていたの？と、ぼくがそう尋ねると彼女は頷く。

「あぁでも、私も知ったのはつい最近で、ニュースアプリのトップページにEdenの広告が出てきた時かな？」

「そうだったんだね！」

僕たちは4人用の席に移動し、3人で会話を楽しんでいた。そんな心配する彼女にここはぼくの所有地だから大丈夫だと伝えると少し安心しているように見えた。

「にしてもすごい本の量だね？」

「あぁ、大学の受験が近いから、勉強の為の参考書なんだ」

「勉強の途中なのに話しかけてしまって迷惑じゃなかったかね？」

「いえ、丁度今日のところは切り上げようと思っていたから、丁度よかったよ」

聞けば彼女、早朝からここのカフェに居たという言うらしいね…今はもう夕方。それまでぼくたちにも気づかず熱心に勉強するなんて、真面目だなと思うね。

羽川Aちゃん…初めて見たけど流石凪砂くんが一目惚れをすると言った具合だね。
彼女を一言で表すなら、容姿端麗。その言葉に尽きるね。
それほど彼女の容姿は整っているね。

更に、話してみるとすごく社交的で愛想がいい、短時間だけどぼくが見る限りでは裏表のなさそうな"いい子"だと思ったね。

ただ、ぼくはそんな彼女が凪砂くんとは違う意味で浮世離れしているようにも見えた。