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14話 ページ14

この際だ。
物によっては聞いてやらなくもない。


「何も言わず、何も告げず、私は凪砂くんとはもう二度と会わない。その代わりに…凪砂くんには…私の家庭事情は言わないで欲しい…可能なら、凪砂くんの中での私は、白いままでいさせて欲しい…」


「どうか、お願いします」と羽川Aはその場でそっと立ち上がり、俺に向けて頭を深く下げた。

何を言い出すかと思いきや…

「……その程度であればいいでしょう」


「ありがとう、それと心配性の茨くんの事だから今後私が凪砂くんに近寄らないようにあれこれ手を回すんじゃないかと思っているのだけれど…今後、茨くんが手を回す必要も無くなるから安心してね」


その含みのある言葉に俺は違和感を覚えつつ、思考を巡らせる俺を置いていくように羽川は言った。



『私、受験に合格したら海外に行くんだ』


『海外に行けば必然的に凪砂くんとも会えなくなるから、茨くんが考えているようなことはもう2度と起こらないよ』





『だから、安心してね』

そう言い残し、いつもの"あの笑顔"を向けたのが最後、羽川Aはこの部屋から立ち去った。



「…クソッ」


誰もいなくなった副所長室に自分の声だけが響く。


少し頭を冷やして思う。


俺は何をムキになっていたのだろうか。



それとも焦っていたのか…?



俺は…

____________"閣下"を失うことが怖かった?


なんて笑えない冗談だ。



しかし、俺は見てしまっていた。



私兵から閣下と羽川の2人が頻繁に会っている。その報告がある以前に俺は知っていた。




閣下と羽川が仲睦まじく歩いている光景を目の当たりにした。



その瞬間、俺に湧いてきたのはどうしようもない感情だけだった。

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作者名:さくらだ | 作成日時:2021年11月14日 11時

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