【文スト】ニートで自由奔放な実況者が探偵社入社したらしい。 (ページ19)

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17.ニート、久し振りに会う。ページ19

その後。
私はとある人物と会う為に、ある喫茶店へと来ていた。

その人物は喫茶店の前に立っていた。
つかつかと歩み寄ってくる私を見つけると、此方に向けて手を振った。

その人物___ネッ友でありリア友である劍さんはキョトンとして私を見る。

「…久し振りの時でも、何でお前…何時も不機嫌なんだ？」

『たまたまタイミングが重なるだけです』

それだけ吐き捨てると、私は喫茶店の中へと足を運んだ。

後ろから「やれやれ」と言いながらも付いてくる劍さん。
彼はかなりのゲーマーであり、有名な実況者だ。

故に、(私が勝手に)ライバル(にしているの)である。

彼は無頓着で、人付き合いにあまり執着しない為、交友関係はそう広くない。

けど、ずっと家に閉じこもって彼とSNSを通じて話していた私とは、何故か仲良くしてくれている。

『…で、何故急に呼び出したんですか』

頼んだミルクティを飲みながら訊ねる。

此方としては新たなライバルが出現したという大変な事態だってのに…←

「いや、最近如何してんのか心配になってさ。珍しく連絡全然よこさねえし」

『あ、私仕事就いたんで。こう見えて忙しい身なんですよ』

すると劍さんが持っていたグラスを落としそうになった。
慌ててキャッチしたが、顔はぽかーんとしたままだ。

「…は？え、お前、仕事就いたの？」

『そんな驚きますか』

「…そう、か…そうか、ははは」

『な、何故笑う…』

「いや、それ聞いて安心した」

と、彼は珍しく微笑みを浮かべた。

劍さんは諸事情で私が閉じこもった時から気遣ってくれていた。

…何時も仏頂面だけど、優しいんだよな。

「で、どんな仕事就いたんだ？」

『え〝』

私は少しの間返答に迷い、そして

『…せ、正義を守る仕事ですよ！！』

とキリッとした顔で言ってやった。
すると、

「…」

先程とは違う劍さんの冷たい視線が返ってきて一刻も早く探偵社に帰りたくなった。←