【文スト】ニートで自由奔放な実況者が探偵社入社したらしい。 (ページ15)

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13.ニート、ご馳走になる。ページ15

『そういえば、鏡花ちゃんが先程渡された物って何だったの？』

そう訊ねると、彼女は手を開いて手元にある物を私に見せた。

それは真空パックに入った煮物だった。
シールなどは貼ってないので、恐らく手作りだろう。

『わ…美味しそう！これ鏡花ちゃんが作ったの？』

鏡花「…うん。貴方にあげる」

『えっ、いいの？』

鏡花「夕飯抜かしてまで、仕事していたんでしょう？
…お疲れ様」

『！』

…気付いてたんだ、鏡花ちゃん。
彼女は中々感情を表に出さないタイプみたいだけれど…

皆のこと、実は誰よりよく見てるのかもしれない。

『うん…それじゃあ、有り難く頂くよ』

にしても…凄い女子力高いな。←

鏡花ちゃん…家事も料理も出来て…そのうえ敦君と一緒に住んでるんだよ？

…これもうほぼ嫁状態じゃ((殴

※個人の感想です

『そっか～料理上手いんだね、鏡花ちゃん。羨ましい…』

鏡花「…練習すれば、出来る」

『そんな事言えるようになってみたいよ…』

鏡花「…貴方は？」

『え？』

鏡花「貴方は、何をするのが好きなの？」

一瞬きょとんとした。
ゲーム実況は…まぁ、もはや日常と化しているし。
それ以外…う～ん………あっ。

１つだけあった。
未だ春野さんにしか言ったこと無いけど…。

『…小説、かな』

敦「小説！？凄いじゃないですか！」

『いやいや、趣味程度に書いてるだけだから全然凄くないよ。

…普段の生活が平坦で平和なものだからこそ、書けるものなのかもしれない…けどね』

鏡花「…」

一瞬の沈黙。
それを破ったのは、敦君の微笑だった。

敦「でもそれって、素敵なこと…なのかもしれないですね」

『え、如何して？』

敦「こうして普通の(・・・)日常が過ごせているのって…案外、大切な事だと思いますよ」

それを聞いて、私は何故か納得した。

様々な荒事を解決して来た彼等には、きっと別の世界が見えているのだろう。
だからこそ…だった。

『…成る程、ね。それも一理あるかも。敦君、見かけによらず良いこと言うね』

敦「貴方にはどんな風に僕が見えていたんですか…」(苦笑)

すると鏡花ちゃんに袖を引かれた。
折角だから食べていけ、と言ってくれた。

久し振りに誰かと囲んで食べる食事は、何時もより美味しく感じた。