▽オタク彼女の受難 ページ8
敬語を外して、ラフに話すことにも慣れてきた頃。――慣れすぎて、気の抜けていた頃。
私は、自分がオタク故に悩んでいることがあった。
それは、気楽に話すことに慣れすぎて、話し方が完全にオタクの"ソレ"になってしまうことである。
普段はちょっとネットスラング的なものが混じるとか、今どきの子であれば割と使うレベルというか、そんなに気にならない程度……だと思うのだが。
問題は、いわゆる良い感じの雰囲気になったときだ。
――もう一度言おう。私はオタクだ。それも、現在彼氏のめいちゃんの、である。つまり私は彼氏が推しで、推しが彼氏なのである。良い雰囲気になったとき、"沸いたとき"のリアクションになってしまうのである。
今日はめいちゃんの家にお邪魔して、二人でのんびり過ごしていた。たまたま見始めた恋愛映画で、二人の間に流れる空気感が何となく変わったときのことだった。自然とスキンシップが増えていく。
「A、」
「ちょ、待って」
「ごめん、がっつきすぎた？」
「いやそうじゃなくて……今のはオタク故の反応というか、なんというか……」
そういう雰囲気になったとき、めいちゃんがかっこよすぎて、オタクの私が顔を出す。そのせいで何度もめいちゃんを不安にさせてしまっていたのだ。
「ごめんね、染み付いちゃってて素でオタクになっちゃう……困らせたい訳じゃないんだけど」
「ううん、大丈夫。慣れるまで待つよ」
めいちゃんは優しいからそうやって言うけれど、一生慣れる気がしない。多分これはオタクの性で、多分めいちゃん以外の人が推しであったり彼氏であったりしても同じことが起きただろう。
「全然、嫌なわけじゃなくて……めいちゃんがかっこいいから、脊髄反射でオタクになっちゃう……」
「ねーえ、急にデレるのやめて」
誤解を招かないように本音を伝えると、めいちゃんは照れていた。そしてそのままの様子で言葉を続ける。
「嫌なわけじゃ、ないんだよね？」
「うん、むしろ私のせいでいつも不安にさせてごめん」
「じゃあさ、その言葉無視して先に進んでもいいってこと？」
形勢逆転、今度はめいちゃんの本音をぶつけられて、私はさっきのめいちゃんと同じように照れてしまった。
緊張はするけれど、ここで断る理由も別に無かった。
「……うん」
「本気で嫌なときは殴って良いから」
お互いの熱を持った視線が絡み合って、それを合図に私たちは座っていたソファにそのまま倒れ込んだ。
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を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 毎回ありがとうございます！新作もめいちゃんの予定です、励みになります〜ありがとうございます！ (2023年3月26日 17時) (
レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完走お疲れ様です！めちゃくちゃ楽しませていただきました！！新作もめいちゃんさんなんですかね…？どんなお話でも楽しみに待ってます！！！ (2023年3月26日 10時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» いつもコメントありがとうございます〜！嫉妬めいちゃんが刺さったようで何よりです（ ˆᴗˆ ） (2023年3月3日 20時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 嫉妬めいちゃん……よきです… (2023年3月3日 17時) (レス) @page20 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» こちらこそリクエストありがとうございました！反応くださると励みになります^^いつか手を出す話も書くのでお待ちください笑 (2023年2月16日 18時) (レス) id: 5e93e52b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：を。 | 作成日時：2023年2月14日 22時
