. ページ17
Aのバイト先に新人が入ってきたらしい。Aはしっかりしているし、コミュニケーション能力もあるし、すぐに仲良くなったという話に頷けた。
｢それで、新人さんがめいちゃんのこと知ってて話盛り上がっちゃったよ｣
｢へー、俺って実はすごいんだな｣
｢すごい人なんだよ、自信持って｣
有名になってきた自覚はあるものの、街中で気付かれることは相変わらず少ないしそういう話は他の世界のことのようだった。だから、認めてくれたようなAの発言に頬が緩む。するとAのスマホが鳴った。
｢何だった？｣
スマホを見てしばらく固まっていたので聞いてみた。
｢その新人さんからで、この間気になるって言ってたカフェ行かない？って｣
｢えー良いじゃん！もっと仲良くなれちゃうね｣
既に連絡先交換して、もう遊びに誘われるとは。思っていた以上の距離の縮まり方だった。さすがだな、なんてAのことを誇らしげに思う気持ちさえあった、のだが。
｢いいの？……男の子なんだけど｣
その発言を聞いて驚いてしまった。話を聞いている限りの"すぐに仲良くなれた友達"感から女の子だと思っていた。
｢ごめんめちゃくちゃ勝手に女の子だと思ってた｣
｢それは言い忘れてた私が悪い、ごめんね｣
ただ、予想に反していたから驚いただけで特に嫉妬とかそういう感情はなかったため謝られるときまりが悪い。
｢んー、まぁ、職場の人と仲良くなるのは良いことだからなぁ……ご飯行くくらいなら俺もするし、良いんじゃない？｣
｢……ほんと？｣
Aがその人のことをかなり"友達"として割り切っている感じがしたので、特に不安は無かった。Aが大丈夫なら大丈夫だろう。それくらい俺はAに対する信頼が厚い。発言の通り自分も異性との食事くらいならよく行くし、Aにそれを許容してもらっているし、俺がここで束縛するのも違う気がするし。
｢うん、Aは行きたい？｣
｢ずっと行ってみたかったところだし、誘ってもらったから行ってみたい気持ちはあるかな、新人さんと仲良くなりたいし｣
｢そっか、じゃあ当日連絡だけちょうだい｣
｢うん！ありがとう｣
――この選択を、俺は少し後悔することとなる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 毎回ありがとうございます！新作もめいちゃんの予定です、励みになります〜ありがとうございます！ (2023年3月26日 17時) (
レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完走お疲れ様です！めちゃくちゃ楽しませていただきました！！新作もめいちゃんさんなんですかね…？どんなお話でも楽しみに待ってます！！！ (2023年3月26日 10時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» いつもコメントありがとうございます〜！嫉妬めいちゃんが刺さったようで何よりです（ ˆᴗˆ ） (2023年3月3日 20時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 嫉妬めいちゃん……よきです… (2023年3月3日 17時) (レス) @page20 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» こちらこそリクエストありがとうございました！反応くださると励みになります^^いつか手を出す話も書くのでお待ちください笑 (2023年2月16日 18時) (レス) id: 5e93e52b45 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：を。 | 作成日時：2023年2月14日 22時
