夜空を見上げる鮫と月 part８ (ページ5)

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雨音ページ5

スクアーロ side
　

朝、目が覚めて最初に聞こえたのは外で降っている
雨の音だった。

窓の外を見れば、雨は灰色の雲から静かに地上に
降り注いでいる。

俺はそんな空を眺めながら隊服に着替えると、
イタリア行きの便の欠航状況を確認する。

　ス「今晩には・・・飛びそうだな・・・・。」

イタリアの天候を確認したが、なんとか夜には
天候は安定するようで飛行機が飛べそうだ。

俺は今後の予定をどうするのか、確認を取りに
ザンザスの部屋に向かう。

　トントントン・・・。ガチャ。

　ス「う゛ぉぉおおい！ボス。起きてるかぁ？」

　ザ「・・・・。」

俺はノックの返事を待たずに部屋に入る。

部屋の中を見れば、そこにはソファーに座るザンザスの
姿があった。

テーブルには数本の酒瓶が並んでいる。

昨晩、１人で晩酌でもしていたのだろう。

　ス「イタリア行きの便が今晩には飛びそうだぜ。どうする？今日中に日本を出るなら飛行機を手配するぜ？」

　ザ「・・・。」

俺はザンザスに話しかけながらザンザスが座っている
ソファーに近づく。

だが・・・

ザンザスは黙ったままで返事をしない。

俺は少し疑問に思いながらも、黙って返事を待った。

　ザ「・・・おい。カス。」

　ス「・・・・なんだ・・・。」

しばらく沈黙が続き、外から聞こえる雨音に耳を
傾けているとザンザスが口を開いた。

しかし、それは俺の質問の答えではなかった。

一体、どうしたのか・・・。

　ザ「・・・」

　ス「・・・？」

俺が疑問に思って居るとザンザスは視線を部屋の外の
バルコニーに向けた。

俺もつられて、そちらに視線を向ける。

　ス「・・・。」

相変わらず外では雨が降っていた。

さっきよりも少し雨が強くなったな・・・

そう、思った所で気が付いた。