雲が聴くのは月の歌 (ページ27)

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理解ページ27

教室に響いたその音はAちゃんを
心配し、席に座らそうとした獄寺君の
手をAちゃんが払い除けた音だった。

　獄「・・・A・・・？」

　「・・・・。」

いきなりの事で驚く獄寺君がAちゃんの
名前を呼ぶ。

Aちゃんは俯いたままだ・・・
俺はAちゃんの顔を覗き込む。

　ツ「！」

Aちゃんの顔はなぜだか凄く苦しそうな
表情だった・・・。

　「っ・・・。」

　獄「A！！」

　ツ「！？」

その時、Aちゃんは教室を飛び出した。

獄寺君がAちゃんの名前を呼び引き留める。

しかし、Aちゃんは振り向く事無く
教室を走り去って行ってしまった。

教室が静寂に包まれる。

みんな、Aちゃんが出て行った扉を見つめて
動かない。

　ツ「・・・・。」

ど、どういう事・・・？？？

俺は混乱していた。

引き留めようと伸ばした手を獄寺君が下げる。

皆を見渡せば、皆、どういう事か理解できない
と言った表情を浮かべていた。