雲が聴くのは月の歌 (ページ28)

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心配ページ28

獄寺 side

　獄「クッソ！A、どこにいるんだ！？」

俺は校内を走り回ってAを探していた。

気絶していたAが目を覚まし、山本と一緒に
教室に帰って来たのがついさっきの事。

２人が戻って来た事に気が付いた俺達は
Aを取り囲みAに話かけた。

笹川や黒川もAの事を心配し、
声をかけてくれていた。

俺は皆に囲まれ、心配されているAの姿を見て、
内心ほっとしていた。

Aはこれから１人では無い。
そう思ったからだ。

しかし・・・

Aは俺の手を振り払い、教室を出て行ってしまった。

俺には・・・

どうしてAが出て行ってしまったのか

理解できなかった・・・。

しばらく呆然と立ち尽くしていたが我に返った俺は
Aを探すため、教室を飛び出した。

Aがどうしてあんな事をしたのか、
原因はよくわかっていない。

しかし、

Aを１人にさせたくなくて俺はAを探す。

　獄「っ！A！！」

校内を探し回っていると、窓から中庭にいる
Aを発見した。

俺は急いでAのもとへ行く。

Aは大きな木の下に座り込んでいた。

　獄「A・・・大丈夫か・・・。」

　「・・・・。」

Aは俺に気が付くと少し笑いながら頷く。

全然大丈夫じゃねぇーじゃねぇか。

笑うAの顔は悲しみに暮れていた。

俺はAの隣に座るとAの頭を撫でる。