蝶 々 結 び【 ヒプノシスマイク 】

愛 中 毒 【 山田二郎 】 ページ8

「 もう、好きじゃないんだよね 」
彼女の言葉に、驚きを隠せない彼奴。

冗談だろ、ただの単純馬鹿なのか？
オマケに 「 じゃあもう終わりか 」なんて無意味な問も呟いて。

うんと頷く彼女を見て涙を流す。
ここまで単純だったのか。

それは想定外である。






もう誰のものでもなくなった彼女は僕のもの。
家に帰ってまったり過ごす。
こんな日常が毎日続くと思うと、人生バラ色すぎて逆に恐ろしい。



……だけど、ひとつだけ変えられない事実がある。
それは悲しくて、切なくて、揉み消したい事実だ。




彼女は、彼奴を愛しているということ。
それと、僕のことなんてこれっぽっちも好きではないこと。
そんなこと、猿にだってわかる。




「 好きだよ 」と言う瞳も、
「 好きだ 」と伝えたときの表情も、嘘でしかない。





こんな嘘偽りの愛に、僕は依存している。
……偽りの愛中毒。





それでも、彼女が傍にいてくれるならなんだってするさ。
だって、好きだから。 ただ、それだけ。




「 俺の事好き、だよな 」

その一言に、君はいつも通り。

「 好きに決まってる 」








嘘でもいいから、Aがそう言い続けてくれる限り、ずっと愛している。






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次回予告 『 風向き 』 Main 有栖川帝統




気付いてしまいました。
どうも甘いお話を作るのが不得意なようです。
次回から頑張ります とほほ。

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