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いちごオレ6 ページ7

.


彼は何を言っているのだ。

思考がついていかず、私の頭に疑問符が浮かび上がる。

持たれている腕が熱くて、その熱さが広がったのか

顔にまで熱がこもる。


私は呆然として、口を閉じず開けたままにしていた。


「さっきの話聞いてたんだろ?」


「えっと…。聞いたは聞いたんですけど…」


おそ松くんは、私の腕をまだ掴みながら

笑み一つ浮かべず、淡々と話した。

見たことのない、おそ松くんの姿に戸惑いながらもなるべく冷静に私は答える。


「俺の役づくり、手伝っくんね?」


「役作り…」


「手伝ってくんね、じゃねーわ。盗み聞きしてたんだからさ

お詫びとして、手伝えよ。」


チラリと私の腕を持っていない方の手を見てみると、

"いちごオレ 一話 台本"の文字が書かれている、薄い本。

本というより、雑誌の方が近いのかもしれない。


私はどうやら、おそ松くんが出演する"いちごオレ"の役作りに盗み聞きをした

お詫びとして、手伝うということを言われているようだ。

だけど、おそ松くんのような高レベル演技をする人の役に立てるのだろうか

それに私という点が引っ掛かる。


もちろん!と、張り切って言いたいものの、


私よりももっといい人材で役作りして欲しい、

惜しい気がするだけども。


「えっと、私なんかより…もっといい人が…いるはずなんで」


「あぁ、お前が嫌ならいいし。…一石二鳥だと思ったんだけど…なぁ」


「あっ…」


一石二鳥…。

おそ松くんは、役作りできて…

私は国民的俳優と仲良く出来るって言う事なのだろうか…

そうだとしたら、確かに一石二鳥である。


私の欲が揺らめく。


「っ…!!えっと、…その…」


おそ松くんは無言のまま、私を睨み付ける。

相当、プライベートを妨害されたことが気に触ったのか、

無言の圧力を押し付ける。


怖い…。


「っ、



私。



分かりました…



その役作り



受けたまります。」


私は、欲とおそ松くんの威圧に勝てず

その頼みを承知してしまった。


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設定タグ:おそ松さん , 松野おそ松 , 学生松   
作品ジャンル:恋愛
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MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時

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