いちごオレ34 ページ35
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「んー。あんがと。」
差し入れのココアを渡して、
一段落つけるもおそ松くんの血相は一行に良くはならない。
ふらふらと頭を上下に揺らして、コップの水面が揺れる。
気だるそうに声を出すと、おそ松くんは苦しそうに目を細めた。
「大丈夫…ですか。」
不安混じりに私は口を開くと、
眠たそうにしているおそ松くんと視線があった。
「昨日、たくさんNG撮っちゃって…寝てない上に風邪引いたんだよね。」
「風邪っ…。?」
ははっと無理矢理おそ松くんは笑って、後ろのソファに深く腰をかけた。
ぼっーと光も映っていない目で天井を仰ぐと、
「しかも、やべー事に39度。オレ死んじゃうわ。」
と言って目を閉じる。
そっそんな。
風邪だと分かっていたら、お邪魔なんかしなかったのに。
「おっおそ松く…さん!寝室に行きましょう!安静に寝てないと…」
私は、咄嗟にその場に立っておそ松くんの手を掴む。
だけど、おそ松くんは首を横に振って、
「いやー。多分ストレスだかんら。ちっと、発散に愚直聞いてよ。」
と言って動く気配が全く無い。
顔が熱で真っ赤な、おそ松くんのすがるような表情に私は逆らえなくて。
私は渋々足を折り曲げて、カーペットの上に腰を下ろし三角座りをした。
「さっ寒かったら、言ってくださいよ。」
「んー。りょーかい。」
風邪気味で脳内が、不安定なのかいつもの私への対応より数倍素直だ。
フフっと嬉しそうに、目尻をおそ松くんは緩める。
おそ松くんはソファに付属されていた、クッションを手に取り
抱いて顔を埋めた。
右頬をクッションの表面にくっつけて、
私が見える景色は横顔姿のおそ松くん。
視線はまっすぐに、日が漏れそうな淡い赤色のカーテンに注がれている。
何を思ったか、おそ松くんは瞳を繊細に動かし
私の顔を捉え
「となり、座ったって、いいと思うんだけど。」
少しいじけた声で彼は言った。
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MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時