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いちごオレ13 ページ14

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おそ松くんは、そのまま私の隣で腰を下ろす。

ソファが重みによって、ギシッと揺れて、

ソファの座板が深くなる。

そうなると自然的に、距離がもっと縮まった。


おそ松くんは、無表情で足を開いて、その間で台本をパラパラと開いた。


えぇ…!!ちっ近い…


ふわぁと優しい柔軟剤が、鼻をくすぐる。

国民的俳優とこんなに至近距離で…私、もう長く生きられないかも…

明日朝起きたら、全国のおそ松くんファンがいて、

私を袋叩きにしそうだ。(物理的に)

ばくばくと次第に私の心臓は、脈を向上させる。


その鼓動が体全体に響いて、思考回路がうまくまわらない。


同じ場所を行ったり来たりしている時のような感覚だ。


やっと、冷静さを取り戻して鼓動が落ち着いてきたと思って

バレない程度で小さく、深呼吸をすると

タイミングが良いのか悪いのか、

丁度、おそ松くんの声が降ってくる。


「あんさ。これ見て。」


ずいっ


「……!!」


おそ松くんは、手元にある台本を見せ

さっきよりももっともっと距離を近くする。

コツンっと軽く肩が触れあって、

顔も真横にあって、あと数センチで頬と頬がくっつきそうだ。

柔軟剤の香りの上に、おそ松くんの上品なシャンプーの香りが被さって

余計頭がくらくらして、脳がトロトロに溶けそうだった。


「はひ…」


一旦おさまった鼓動は、また復活して

さっきなんかよりももっと全身を素早く駆け巡った。


顔は林檎みたいにきっと真っ赤っかで

ぷしゅーと頭から湯気が出ているだろう。


一方おそ松くんは顔色一つ変えず、台本の台詞が書いてある場所に指を指した。

吐息が耳元でかかりながらも、必死に話に集中しようと

耳を傾ける。


「オレさ、恋愛ものはじめてだから、

こーゆうシーン、どういう感情でやればいいかわかんねーんだよ。

毎話大きな進展…ってか、イベントみたいな目玉のシーンがあっから、


そのシーンを実際試してみようと思ってる。」


単刀直入で言われた。


大きな爆弾発言である。


「後のシーンは、テキトーに誤魔化す。」


だって、わかんねーもん。時間ないし。


おそ松くんは、疲れたようにため息をついて台本を、膝の上に置いたまま

ソファに深くよりかかった。


私は唖然としていて、


きっと情けない顔をしているだろう。


「ってことで、よろしく。」


おそ松くんは、大きな欠伸をしながらそう言った。


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設定タグ:おそ松さん , 松野おそ松 , 学生松   
作品ジャンル:恋愛
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MERORON - うへあさん» ご指摘ありがとうございます。脱字が多くて…。修正いたしました。 (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - どりーさん» レス遅くてごめんなさい!そろそろ頑張って、完結させようと思っています。最後までよろしくお願いします! (2019年1月22日 23時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
うへあ - 16は、関節キスじゃなくて間接キスだと思います (2018年12月3日 21時) (レス) id: d83e57132d (このIDを非表示/違反報告)
どりー(プロフ) - あぁぁああ!!!コレ神作過ぎませんか!?キュンキュンが止まらないです!!! (2018年7月10日 19時) (レス) id: f196981f30 (このIDを非表示/違反報告)
MERORON - おそ松がーるさん» いやいや、こちらこそ!お召し上がりありがとうございます( ̄ー ̄ゞ−☆ (2018年5月15日 14時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MERORON | 作成日時:2018年3月13日 21時

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