【おそ松さん】 カラ松さんとカラ松ガール 【カラ松】

２９ガール ページ29

「あ」

そうだ、私は花を飾ってひとりでにやけてる場合じゃなかった。
このあとベタ惚れの人に会いに行くっていうのに洒落た格好一つも出来ないだなんていう女を捨てた行動したくない。

幸いなことにまだ時間の余裕は結構ある、じっくり考えなければ。

ガッ、と勢いよくクローゼットを開ける。
普段服装に気を遣うことは少なく好きな服を適当に着ている為、お世辞にも衣装持ちとは呼べない。
けれど、お洒落な友人やアパレル関係の仕事に就いている知人から貰った服ならある。


「……最悪、センスなんか皆無なんだけど。
服単体で見たら可愛いのに組み合わせて可愛くなくなる可能性もあるんでしょ…？
なんで美味しい物プラス美味しい物で美味しい物が出来上がるとは限らない世の中なんだよ…！！」

訳の分からない苛立ちを誰にというわけでもなく零す。
きちんと並べてある服をじっと見つめると、あることを思いついた。



「ぐぐればいいか」

最近は便利だ、デート服かなんかで検索すればコーディネートのポイントなんかすぐに出てくる。
デートと打つのは少し恥ずかしいが、そこは耐えるしかない。

無駄に慣れた手つきで文字を打っていく。


「……検索っと！」

ボタンを押して目に飛び込んできた言葉は、デートよりも気恥ずかしい言葉だった。




「お、男ウケって……
別に私男ウケ狙いたいわけじゃないんだけど…！」

そうだ、私はカラ松ウケファッションが知りたい。
まあそんなのネットに載ってるはずもなく、スクロールして出てくるのは「彼ウケ」「男をオトす」などの言葉ばかりだった。

顔が熱くなるのを感じながらもそれをタップして開く。



「……これで外したらもうネットなんか頼らない」

私は記事を読んでいく。
どんな格好をしてもカラ松さんは褒めてくれるだろうけど、少しは良く見られたい

……なんて。



「やっぱ調子乗りすぎだー…！」

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