【おそ松さん】 カラ松さんとカラ松ガール 【カラ松】

１２ガール ページ12

「なあカラ松ガール…」
「あの、そんなねっとりした感じでガールって言わずに普通に名前呼んでくれると嬉しいんですが…」
「え、あ、えと……A、ちゃん？」
「………はい」


ちゃん付けとか、反則でしょ。
松野さんどう見たって立派な大人なのに、それにさっきまですっごいカッコつけてたのにさ。
私のことをちゃん付けで呼んで、照れくそうに笑うなんて。

松野さんやっぱりずるい。



「えっと、話す場所あそこの公園でいいか？」
「はい、松野さんの好きなところで」
「そうか」

かっこつける要素が少し減ってへにゃっと笑う彼
もうやだ、心臓持つかな私。


「……松野さん、このカーディガンって着てもいいんですか？」
「あぁ、マイブラザーから許可取ってある」

「……遠慮なく着させて頂きます」
「おう！」



私もある意味ずるい奴だ。

松野さんはこの上着を好意で貸してくれたのに、私はこの上着さえも次に松野さんに会うためのきっかけにしようとしてる。
帰りに、「また今度洗って返します」って言いたい。


馬鹿だな、私


「松野さん、そこのベンチ座って喋りましょう」
「あぁ、俺も今そう言おうとしていたところだ…俺ら、何かで通じあっているのかも知れないな…」
「そうだといいんですけどね、ふふ」


すとんと腰を掛ける。
私が座るのを見て松野さんは少し眉を下げた

「どうしたんですか？」

「すまん、今ハンカチ持ってないんだ…」
「ハン、カチ……？」


え、もしかしてあれ？
女子が座るところにハンカチ敷いてあげるとかそういうやつ？それやろうとしてたの？



「まつのさん……」
「ど、どうかしたか」
「そこまで女子扱いしてもらわなくても大丈夫です…」

恥ずかしい、めっちゃ嬉しいけど慣れてないから超顔熱い。
駄目だこの人。


「でも、俺にとってAちゃんは大事なカラ松ガールだし…」
「……もう松野さんやだ…」
「ええっ！？」



ずるいくらいに、格好いい。

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