９話 ページ10
「若いっていいね。」
「そんな事いう年じゃないだろ？」
久しぶりに真緒君と時間が合い、家で夕食を食べる。ついでにワインを少し。
「今なら逃げるのコマンドを押せる事が羨ましいよ。」
「逃げる？」
「私はもう逃げられなかったからさ、デザイナーの道から。」
将来はデザイナー、そう決められた。病院に行ってた時もそんな話は耳にタコができるほど。
「逃げたいほど嫌なのか？デザイナー。」
「うーん、いろんな事やりたかったんだと思う。」
編集者とか、スポーツトレーナーとか弁護士とか･･･いろんな職業を調べて、見学したりして。
「･･･考えてみたら楽しそうだよな、俺がアイドルじゃなかったら何やってると思うか？」
「大工？」
「あー、ちょっとやりたいかもな。」
ステージの作業とかなんだかんだ率先してやってたのを思い出す。あんな機会、もうないだろうけど。
「Aも顔は悪くないからモデルやればいいんじゃね？」
「顔は、って失礼な。･･･あれは、チカチカするからなぁ･･･」
泉君の一眼レフの被写体によくなってたから分かる、あれは眩し過ぎ。
「でも、デザイナーでよかったよ。」
「なんかいい事でもあったか？」
「うん。イタリアやフランスで沢山の友人も出来たし、色んなものを見れた。」
良いところも悪いところも知れた。いろんな考えを持った人の話を聞いたり、いろんな人の経験したことを聞いた。
「なにより学院に来れた事がデザイナーとしてのコネ。」
もしデザイナーをやってなかったら真緒君どころか学院の人と出会うことはなかった。
「もし真緒君と出会ったなかったらどんな人だったのかなぁ･･･」
「デザイナーはやってるだろ？」
「それは間違いないね。」
でも真緒君が隣にいないのはやだなぁ、なんて呟くと真緒君は席を立って後ろから抱きしめてくれた。
幸せだった。
ずっと続くものだと信じてた。
この温もりは失いたくないと思ってたのに･･･
私は、自分のその口で･･･終わらせてしまった。
そんな未来がくるのは、
もう少し先の話。
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mol(プロフ) - キキさん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんは私のテンションによって結構変わってるのでコロコロ変わって何だコイツと思われてないかな、と不安に思っていたので嬉しいです！出来るだけ早めの更新出来るように頑張ります！ (2015年8月8日 22時) (
レス) id: b4c46e0b8a (このIDを非表示/違反報告)
mol(プロフ) - 水撫月さん» コメント返しが遅くなって本当にすみません！！続編にいけたのは読者さんのおかげです･･･！できるだけ早めに更新出来るように頑張ります。コメントありがとうございました！ (2015年8月8日 22時) (レス) id: b4c46e0b8a (このIDを非表示/違反報告)
キキ - 夢主ちゃんの性格、大好きです(〃∇〃) 更新、頑張ってください！ (2015年8月8日 11時) (レス) id: b05baa7531 (このIDを非表示/違反報告)
水撫月 - 続編おめでとうございます!!頑張ってください!! (2015年7月27日 16時) (レス) id: 544fba5743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mol | 作成日時：2015年7月27日 1時
